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幻想の運び屋外伝 天覇絶槍が幻想入り
第一部
出会い編
第一話 天覇絶槍が幻想入り
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「某は……殺された筈……」
「え!」
 そして俺は、霊夢殿に己に降りかかった出来事を話した。霊夢殿は嫌がるそぶりを見せずに真剣に聞いてくれた。
「そう。つまりその松永っていうやつに殺された筈なのに、ここにいると…………先に言っておくけど、ここは死後の世界じゃないからね」
「……なら、ここは日ノ本のどこ辺りでござるか……?」
「そういえば言ってなかったわね。ここは“幻想郷”。幸村からしてみれば別の世界ね」

少女説明中&熱血漢理解中

「最後の楽園、でござるか……」
「そうよ。」
 どうやら俺は、己の想像すら付かぬ非常識なところに来てしまったようだ。
「とりあえず、暫く家に居なさいよ」
「え? ……な、何故にござるか?」
「この世界は幸村のいた世界じゃないし、行く宛もないのでしょ」
「まぁ……確かに」
 この世界、俺の知っている人はいない。霊夢殿が某に手を差し伸べてくれるのは嬉しいのだが……。
「真に……よいのか? 霊夢殿がその……人間じゃないと思われる人を置いても」
「だからよ、もし幸村がさっき松永って奴と戦った感じに、ここ幻想郷で同じく暴れないように監視しなくちゃいけないからね」
 まぁ俺の武は人を簡単に吹き飛ばすなど容易だからな。
「もし、某が暴れたとして霊夢殿は止められるでござるか?」
「舐めないで頂戴。こう見えて私は幻想郷のバランス、均衡を保つ役割を担っていて、異変や妖怪退治は私の仕事なのよ」
「……つまり、その手の専門家ということでござるな」
「そうよ」
「…………」
「……? どうしたのよ幸村」
「それってつまり、某を遠回しに妖怪かなんかの化け物と一緒にしていると言うことでござるか?」
「ハァぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
 なんで霊夢殿は溜息を吐くのだ?
「あのね……幸村の話を聞いたら誰でもアンタを化け物みたいに言うわよ! 槍の先から火を出すとか、気合で自分の百倍はある巨大兵器を槍二つで破壊するなんて。この世界も外から見れば非常識だけど、あんたも十分“非常識”よ!?」
「…………(汗)」
「……話が逸れたけど、取り敢えず、今幸村はここにいる! わかった?」
「う、うむ! 了解した……」
「それならいいわ。それじゃあ食事作って持ってくるから待ってなさいよ」
 そういう霊夢殿は少し微笑んでいた。
「承知したでござる……」
「あ、それと。ここに居させるけど、色々働いてもらうからその積りでね」
「ああ、居候させてもらう身ですからそれ位はしかとやりますぞ!」
「なら安心だわ。それじゃぁ待っていてね」
 俺がそう返事すると、霊夢殿は部屋から出て行った。
 さて、これからどうするべきか……
「……ってあれ? 首にかけてある六文銭がない!?」
 あの時の戦いで無くなったのか、それとも
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