閑話 一
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シェイラは腰を下げ、目線をトビエの高さに合わせる
「悲しいなー。私そんな歳とってるようにみえるかな?」
「離せって!! このー!」
「答えて欲しいなー、そうじゃないと悲しくって力が入っちゃうかも」
「痛い痛い、離せよー!! ……うう」
「ねえ、私そんなに年上に見える? それとも若くて凄く綺麗に見える?」
「……若くて、凄く綺麗です」
「そっかー。うんうん、正直な子供は好きよ」
そういい、笑顔でアルシェイラの手が離される。解放されたトビエがそれを睨みつけるが、いかんせん涙目なので迫力が皆無である
はぁ、とクラリーベルは溜息を溢しながら口を開く
「この人は私の親戚のシノーラです。付いて来たいと言うので連れてきました」
「シノーラ・アレイスラでーす」
仲良くしてね☆とばかりに笑顔で言うが、先ほどの事からか子供たちは若干引いていて誰も返事を返せない
何せいきなり頭を鷲掴みにされる光景を見たのだ、戸惑いが皆隠せないでいるし、その内の一人は涙目だ
「そんなに感情的でしたかあなたは? 子供相手にむきにならないで下さい。私程度じゃあなたは止められないんですから」
というよりも、止められる人物がいるのだろうか。かつてサヴァリスでさえ抗えなかったが
「うーん、ちょっと大人気なかったか。今日は気持ちが不安定なのかなー。それに、大人に言われるのなら良いけど、子供だとなんかストレートに心に来るのよね」
「知りませんよそんなこと」
ごめんねーと言いながらトビエの頭をわしゃーと撫でているアルシェイラを見て、確かにいつもの彼女とは違う違和感を感じる。だが、だからといって言う事もないのでクラリーベルは他の子どもたちに向かう
「アンリ、リーリンは奥にいるんですね?」
「う、うん。奥で手紙を読んでるよ」
「手紙?」
「うん。レイフォン兄さんからの手紙」
「え、それはホントですか?」
「そうだよ。クラリーベル姉なら見せて貰えると思うよ」
「はい、是非!」
「何々、どうしたの?」
聞いていたのか、アルシェイラが口を挟んでくる
「いえ、レイフォンからの手紙が来ているそうなので。リーリンに読ませて貰おうと」
「へー。レイフォンってあれよね、あなたがぞっこんの大会優勝者」
「ええ、彼は私の目標です」
「……そういう意味じゃなかったんだけどね。ま、いいか。あ、そうそう。君にこれ上げる」
そういい、アルシェイラは左手に掴んでいた箱をトビエに渡す
「何、これ?」
「途中で買ってきたお菓子よ。さっきのお詫びにあげるわ。みんなで食べなさい」
「え、ホント!?」
「うん、綺麗なお姉さんは嘘つかないわ」
「ありがと、お姉さん! リーリン、お菓子貰ったー!」
単純なもので、
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