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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十三話 ヴァンフリート星域会戦 その2
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ォーク中佐の癖を加味した原案による非常に嫌らしい作戦であった。

この時、両軍の司令官の考えは全く違っており、エッシェンバッハは繞回進撃を別働隊のケスラー艦隊がヴァンフリート4=2後方基地を占拠するまで、叛乱軍を引きずり回しす手段として取っていたのに対し、ロボスはフォークの言った“第二次ティアマト会戦以上のパーフェクトゲームを行う”事を目的にしていた訳であった。

つまりは、完全に両軍の戦略的目的が乖離しており、同盟は帝国軍の撃破に心血を注ぎ、ヴァンフリート4=2後方基地を完全に思慮の範囲から外していたのに対し、帝国は端っから後方基地占拠が第一目標で有り、その後に艦隊決戦を行う気であった。。

結果的に、テレーゼの思惑通り、最初の気の入らない戦闘以来、繞回進撃に伴う追いかけっこが二週間に渡って続く事になり、損害が増えない代わりに戦果も無い状態が続いた。その結果、ラインハルトの苛つきは益し、それに伴いキルヒアイスの胃と毛根に過分のダメージを与える事に成った。









宇宙暦794年 帝国暦485年 3月27日

■自由惑星同盟ヴァンフリート4=2 同盟軍後方基地

「戦況はどうなって居るのか!」
「はっ、一進一退を続けているとの連絡が入っております」
「それ以外に総司令部から何か言ってこないのか!」

指揮官らしき四十代半ばの男が通信オペレーターらしき男にがなりたてる。
「電波状態が良くなくそれ以上のことは不明であります」
オペレーターは指揮官のイライラから来る言動を内心“ケッ”と思いながらも抑揚のない話し方で報告を上げる。

その答えを聞いて更にウロウロとし始め独り言を言い始める指揮官を見て多くの司令室にいる者達が指揮官への不安を募らせる。

「セレブレッゼ閣下、其処までご心配為さらなくても良いと思いますが」
司令室の空気の悪さを感じ取った副官のサンバーグ少佐が話しかける。
「少佐、貴官の意見を聞いている訳ではない!」

サンバーク少佐が少しでも重苦しい司令室の空気を和らげようとしたにも係わらず、セレブレッゼ中将はけんもほろろの態度で拒絶し、折角の配慮も台無しになる。

「戦況はどうなるんだ。態々ヴァンフリートまで帝国軍が来るなど今まで無かったのにだ」
セレブレッゼ中将は独り言にしては大きすぎる声でブツブツと呟きながら、司令室をウロウロとして、司令官室の者達の不安を更に増大させ、やる気を失わせる事に成っているのだが、戦闘指揮経験の殆ど無いセレブレッゼ中将にその事が判る訳がなかった。




ヴァンフリート4=2には原作通りにローゼンリッターが配属されていた。彼等はヴァンフリート星域会戦を知っていたが、基地戦闘までは無いと第12代ローゼンリッター連隊長オットー・フラン
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