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愛しのヤクザ
第十二章 陰謀
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りへと入った。
 翌朝早く、外の食堂に二人の男女が入ってきた。清水と君子だった。誰もいないことをいいことに、最初はじゃれ合う程度だったのだが、二人は次第に本気になっていった。清水が君子の首筋に唇を這わせ、その手で乳房をまさぐると、君子は堪えきれず呻くような声を発した。
 喘ぎながら清水の手を取ると下へ導き、椅子から腰を浮かせて前につきだした。スカートの下で清水の手がうごめく。それを眼下に見ているだけで、じっとりと湿っていくのが分かる。二人は時間がないことが気になっていた。
 早めに済ませればいいと、ようやく決意し、宿直室にもつれるように歩いていった。襖を開けると、二人ははっと息を飲んだ。相沢が鼾をかいて眠っている。清水が困ったように聞いた。
「どうする、また三人で…」
とは言ったものの、君子を独り占めしたいという気持ちの方が強かった。君子は君子で、なかなか二回目を言ってこない相沢に腹を立てており、まして、もう時間がないことで焦っていた。
「いいわよ、相沢さん疲れているみたい。ここんとこ、いつもそう。そっとしておきましょう。ここが駄目なら、更衣室しかないわ。うわー、みんなが来るまであと30分しかない」
と言うと、君子は清水の手を引いてその場から駆けだしていた。
 こうして相沢は二度目のチャンスを、そしてあのめくるめくような官能の世界、最初で最後となった乱交の記憶を思い出すきっかけさえ、失ったのである。






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