第十章 悪意
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りゃ、格好がつかない。本部長、蝶ネクタイを締めて、早く行ってください。仕事第一、仕事優先、おい、林田」
はい、はい、はいと林田が無理矢理山本を連れだした。林を見ると、目には涙を湛えている。向井がその羽交い締めした手の力を抜いた。林はしゃがみ込んだ。そして床を叩き始めた。拳で床を殴りつけている。その手が血に染まってゆく。叩きながら泣き喚いた。
「間違いは認めるよ。だけど、何もそこまで言うことはねえ。俺の存在価値をそこまで貶める必要はねえ。なんであの書類をわざわざ持って来るんだ。本部で訂正すればそれで済むじゃねえか。何度もそうやってきた。俺をそこまで責めることに何の意味があるんだ。本部本部って偉そうに言うんじゃねえ、馬鹿野郎」
泣き声は事務所いっぱいに広がる。向井も相沢も声を失った。
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