第五章 覚醒剤
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
然、変わり果てた堤を見たのだ。そして失踪した。どんな事情があるのか分からないが、堤の出現が失踪の原因であることは間違いない。二人は山科の話に耳を傾ける振りをしながら全く別なことを考えていた。
二人にはどんな事情があったのか?則子は1年前に八王子に現れた。堤は3年前だ。もし則子が堤を追ってきたとするなら、刺青をし、ヤクザになった堤を見て失望し、関わりたくないと思い八王子を去った可能性もある。
別の可能性もしかりだ。たとえヤクザであろうと気持ちに変わりがなく、堤の胸に飛び込んだという可能性だ。山科が去ってから、林田と二人、あれこれ話し合った。推論を戦わせたところで、意味のないことは分かっていたのだが話は尽きない。
いつの間にか夕闇が迫っていた。山科との待ち合わせの時間だと言って林田が席を立つ。ドアに手をかけて、ふと、振り返った。そしてにやりとして言った。
「それじゃ、課長、遠慮なく交際費使わせて頂きま。」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ