第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第18話:温もりと安心感……いいえ、俺は戸惑ってるッス
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(砂漠)
ウルフSIDE
新たな仲間ホフマンを加え、俺達は砂漠縦断へと乗り出した。
やる気満々のホフマンに導かれ、一休みもせず昼を回った時間に出立する……
当然、砂漠の真ん中で夜を迎える哀れな旅人……そう俺達ッス!
イシスでも体験したのだが、砂漠ってのは昼間の攻撃的な太陽光と輝く砂からの照り返しによって、強烈な暑さを醸し出している。
翻って夜は、日中の太陽熱を砂が即座に放出する為、寒さが尋常ではなく……寒暖の差が激しすぎるのである!
元気いっぱいで出立を促したホフマンを始め、冒険初心者のシン君達には辛く、日が暮れ幾ばくも歩かないうちに限界を迎えてしまう。
特にリューノには堪えたらしく、早々に馬車内へ下がりダウン状態であった。
俺は元より戦闘をしないでいたので、体力が有り余っている……ついでに言えば、荷物も馬車に入れて移動できる様になったので、荷物持ち要員としての役目もなくなった。
だからと言うわけでは無いのだが、皆が馬車内で眠っている間、外でたき火を囲い見張りをしています。
シン君はリーダーらしく『数時間したら俺が代わりますから、ウルフさんも休んで下さいね』って言ってくれた……
優しさに涙が出そうだが俺は彼を起こさない。
自ら起きてこなければ交代してやらない。
冒険初心者が偉そうにベテランへ指示を出してもらいたくない。
初心者は初心者らしく、しっかり休んで心身共にリフレッシュした状態で日中の行動に全力を尽くしてもらいたい。
俺は簡易ポットで暖めたコーヒーをコップに注ぎ、その熱さに耐えて飲みながら思い出す……
そう言えばリュカさんも一人で見張りをしてくれてたなぁと……
自分自身も今のシン君達みたいな時代があったなぁと……
「わぁ寒っ! 昼間とは大違いで寒いわね!」
満天の星空に義父の記憶を投影していると、その娘が馬車から起き出してきて呟いた。
見ると彼女はノースリーブのワンピース姿でこちらに近付いてくる。
「何だリューノ……起きたのか? 大丈夫か、昼間は辛そうだったけど?」
「あ、うん……ゴメンね迷惑かけて。一休みしたら大丈夫になった……っても、夜になって涼しくなったからだけどね」
そうか、そう言えばこの娘はスノウさんの娘……雪の女王と言われた事もあるほど、寒い系が得意な母親の娘だったな。
「それにしても、その格好は寒いだろう!? ほら……こっちに来てたき火にあたれよ。暖かいコーヒーもあるから……」
そう言って俺はリュ−ノを手招きし、もう一つのコップにコーヒーを注いで掲げて見せる。
「うん、ありがとう」
珍しく素直に礼を言うリューノ……
小さな両手でコップを受け取ると、自然な動きで俺の膝の上にチョコンと座る。
うん。膝の上と言ったが、俺は胡
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