Episode15:二つ目の誓い
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系アメリカ人の男。既に、息はなかった。
体中に流れた強力な電流が、ロドリゲスのことを中から焼き切ったのだろう。
「……無頭竜執行人、ルシフェル・ロドリゲス。暗殺完了」
死体を見下ろして、小さく呟く。
消すのではなく殺したのは、一体いつ振りだろうか。手に残る不快な感触。肉が焼き切れる音。全部、本当に、本当に不愉快だ。
「フン…自分で殺っといて、なんて顔してやがる」
気づけば、真後ろに五十嵐修哉が立っていた。
「うるさいよ。暗殺業なんかやってるけどね、俺は普通の人間なんだよ……罪悪感は感じなくても、この血の感触は手に残るんだよ…」
グローブに包まれた左手を見る。俺が掲げ、何人も殺して来た忌まわしきこの手。静かな空間に、俺の歯軋りの音が響いた。
そんな俺に、五十嵐修哉は目を瞑り、溜息を吐き出した。
「それを望んだのはてめえだろうが。それについてゴチャゴチャ言ってんじゃねえよ……ったく、ほら!さっさとオレを殺しな」
決意を込めた目で睨まれ、俺は嘆息交じりに電流を纏った左手を掲げた。
「そういえば、アンタに家族はいないのかい?」
こいつを殺すには、あとは手でこいつの頭に触れればいいだけだ。だが、俺はただの興味に惹かれて手を止めてしまった。
問いかけた刹那、五十嵐修哉は一瞬悲しげな表情を浮かべ、
「両親は知らねえ。俺がバカやったときからもう会ってねえしな」
「……兄弟は?」
そう問うと、今度は目を伏せた。
「……妹がいたんだけどよ…無頭竜の幹部の一人に、殺された」
それを聞いた瞬間、俺は自分の中でナニカが冷めていくのを感じた。
「オレを従わせるために人質にされたらしいがな……オレの目の前で殺されたよ」
「アンタは…ただそれを見ていただけだったのか?」
そう言った時、五十嵐修哉の瞳に憎悪の炎が宿った。
「バカ言うんじゃねぇぞガキ。目の前で身内が殺されそうになってんだ。抵抗しねえやつがいるかよ」
「だが、その努力は無駄だったと?」
「ああ。最終的にはアンティナイトのジャミング波まで使われて抑え込まれたよ」
再び、俺の歯軋りの音が響いた。
「おいおいおい…なんでお前ぇがキレてるんだよ」
長年暗殺をやってきたが、こんなにキレたのは久しぶりか、もしかしたら初めてかもしれない。別に俺は正義を掲げるつもりなど毛頭ないが、それでも卑劣な行為には最大級の不快感を得る。
暗殺という行為は、卑劣極まりないことだと思われがちだし、実際そうなのだが、俺達、九十九家の暗殺は、正々堂々を基本としている。暗殺をするかは己で見極め、暗殺をする場合には必ず敵の
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