Episode15:二つ目の誓い
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笑みを浮かべた。
「……腐れ組織どもよォ…世界手にするとか、ンなことのためにガキ一人の人生奪うとかよォ………いい加減…日本の魔法師ナメんじゃねぇぞ!オレなんかじゃ無理だったけどなァ、九十九隼人、アイツならテメェらの薄汚ねぇ考えなんかブッ壊せるぜ…精々悔しがるんだな!アイツに、目ェつけたことを!そして、つけられたことを!!」
強い意思を湛えた瞳が、無機質な瞳とぶつかる。溢れ出した自分の思いを全て罵倒と共に言葉に出して叫んで、修哉は自らの終わりを悟った。
「そうか……」
俯かれ、隠れる表情。ロドリゲスの親指が、拳銃のハンマーを起こした。
ジャキッ、という小気味良い音が鳴り、照準が修哉の額に合わさる。
「残念だ」
引き金に置かれた指に力が篭った。
言葉と共に引き金が引かれた。
だが、銃声は鳴らなかった。
しかしその代わりに、
激しい雷鳴が光と共に轟いた。
「まったく、困るんだよねぇ……本人のいないところでそんな話……俺の情報が知りたきゃ、直接来いよ」
大して声を張り上げたわけでもないのに、その声は鮮明に響いた。弾けた雷を紙一重で回避していた無頭竜の二人は、同時にその声が聞こえた方向、上空を見上げた。
「やあ無頭竜幹部の御二方……俺が、九十九隼人だ」
そこにいたのは、漆黒のタキシードに身を包み、狐を模した仮面で素顔を隠した、九十九隼人だった。修哉とロドリゲス、二人の緊張が、一気に高まる。
「五十嵐修哉は昼間ぶりかな。よくあの不意打ちを躱せたものだよ……で、そっちのは、無頭竜執行人、ラファエル・ロドリゲスだな」
隼人の言葉に、ロドリゲスは狼狽を表した。
「なぜ、私の名を知っている?」
そのロドリゲスの問いかけに、隼人は溜息をついて肩を竦めた。
「こちとら暗殺者だ。より暗殺をしやすくするために、標的については粗方調べる。今回のターゲットは五十嵐修哉。五十嵐の情報を調べるついでに、無頭竜についても探りを入れていたのさ」
考えてみれば当たり前のことだ。これくらいのことならば、ロドリゲスは意識するよりも早く考えに至っている。
だが、廃墟の屋根に立つ暗殺者の存在が、放つ殺気の濃度の濃さが、如何な凶悪犯罪者でも正常な思考ができなくなるくらいに、ただただ恐ろしいものだった。
「さて、俺の存在と僅かな情報を知ってしまった貴方ら二人には、この世界からご退場願いたい。まぁただ、黙って死んでいくのも嫌だと思うからさ……」
漆黒のグローブを嵌めた左手を、二人の犯罪者に向けて
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