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鋼殻のレギオス IFの物語
十四話
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いくとなった時、たくさんの人に言われた。
『お前の我儘に、自己満足に都市の守り手を巻き込むな。好きに生きたいなら俺達に迷惑をかけないようにして死ね』
『レギオスに生きる者として、お前は倫理が欠損している』
『ままごとでシュバルトの力を減らす気か。……お前の存在は、行いは毒だ。いずれ俺達を緩慢に殺す』って」
「???それ、は」
「懐かしい話です」

 シンラが告げる言葉にニーナが何か考える様に眉根をひそめ、話を聞いていたエリスが近くに寄ってくる

「随分昔のことですが、そんなこともありましたね」
「まあ、ね。とびぬけて秀でていた……といったわけじゃないけど、そこそこ優秀な念威操者だったエリスを都市から出すとなると色々とあってね。武芸者、念威操者はその地に生きる民を守る存在だというのが常識だ。さっき言っただけじゃなく、もっと色々と酷いことを言われたりもしたよ。それで初めて自分がすることの他への迷惑さを思い知らされ、一時期塞ぎ込みかけたこともあった。エリスの親に知られた時は一悶着あって大変だった」
「訂正をしてほしいですねシン。そこそこではありません」
「ハハ。……まあ、それは置いといて大変だったよ。味方は僕の両親と付き合いの長い仲のいい友人位だったからね。でも諦めきれなかったし、考えたうえでそれでも外を見たかった。……きっと、僕はレギオスで生きる人間としては不適合なんだろうね。そんなこと知るかと逆に開き直ったよ。でも、エリスの両親は反対し続けていたし、それを受けてかエリスも弱気になり始めた。だから……」
「……どうしたんですか?」

 どうしたのかと、ニーナは逸るような気持ちで答えを問う。それに、シンラは面白そうな笑みで一息に答えを言う

「攫った」
「え?」
「だからさ、攫ったんだよ。友人と協力して荷物持ってもらったりして拉致した。念威操者は武芸者と違って肉体面じゃ一般人と変わらないからね。バスの時間ギリギリに滑り込めるように計算して家出だね。
……まあ、僕の両親はある程度知ってたから僕は家出じゃないけど。いやー楽しかったよ、次の日にはバスの中で筋肉痛になってさんざいじられたけどね。ハッハッハ!」
「笑うな」
「イタっ!」

 笑い声が気に障ったらしく、復元してある錬金鋼でエリスがシンラを殴る

「……つぅ、それで殴るのは止めてくれエリス。とまあ、そんなことがあって都市を出たよ。でも、後悔はしていない。自分の夢を叶えられたからね。知らないことを知るのは楽しいし、見たことないものに触れるのは心躍る。だから、自分が決めたこれはけっして後悔していない」
「……そう、ですか」
「うん。それに、出る時の条件の一つで定期的に手紙を送っているしね。そのおかげで、少しは負い目が薄まってる。
……とまあ、僕としてはこんな
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