第三十話 江田島その一
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第三十話 江田島
八条学園の面々は江田島の幹部候補生学校に入った、入ってまず目に入ったのは。
校舎だった、その校舎こそは。
「赤いですね」
「赤い煉瓦で作られているんですね」
「明治時代みたいですね」
「歴史ある感じですね」
「はい、そうです」
案内役を務めている若い自衛官が応えてきた、白地にところどころ金色がある綺麗な制服だ。両肩には階級章がある。
「この海上自衛隊幹部候補生学校は明治に作られました」
「元は海軍兵学校ですよね」
「そうですよね」
「はい、そうです」
こう学生達に答えるのだった。
「海上自衛隊は海軍が前身です」
「それでなんですか」
「この校舎もですか」
「そのまま使っています」
「綺麗ですね」
これは校舎だけを見ての言葉ではない。
「花壇もグラウンドも」
「あっ、何処も凄い手入れされてるな」
「綺麗に掃除されてるよな」
「これ庭師さんがやったのか?」
「本当に綺麗よな」
「いつも掃除をしていますので」
自衛官は笑顔でこう彼等に説明した。
「ですから」
「こんなに綺麗なんですか」
「花壇もグラウンドも」
「全てです」
その何処もだというのだ。
「幹部候補生学校全てがです」
「綺麗にされてるんですか」
「掃除されてるんですね」
「そうです、ここだけの話ですが」
ここで若い自衛官は苦笑いで話すことがあった、それはというと。
「私達が綺麗にしています」
「あっ、お兄さん達がですか」
「掃除されてるんですか」
「物凄く厳しくチェックされて」
そのうえでだというのだ。
「それこそ埃一つが落ちていれば」
「やりなおしですか」
「そうなるんですね」
「なるんですよ、これが」
自衛官は苦笑いで話していく。
「厳しいですよ、ここは」
「そういえばお兄さんの制服も」
その白と金のそれもだというのだ。
「皺一つないですね」
「靴も凄く綺麗ですね」
「服や靴もなんです」
そういったものもだというのだ。
「埃も皺も」
「一つでもあればですか」
「駄目なんですね」
「ですから毎日制服にアイロンをかけて靴を磨いています」
靴は白いエナメルだ、如何にも汚れが目立ちそうだ」
「そうしています」
「えっ、毎日ですか」
「毎日磨くんですか」
「そうしています、本当に毎日ですよ」
つまり毎日掃除をしてアイロンを使い靴も磨いているというのだ。
「後はベッドもちゃんとしています」
「ホテルマンみたいですね」
生徒の一人が目を丸くさせて言った。
「それじゃあ」
「ホテルマンですか」
「だって、お掃除して身なりもちゃんとしてベッドもですよね」
「整理整頓は絶対です」
それを少
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