第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
十年前の亡霊
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に駆け出す。
「ッ!! やってやらァああああああっ!!」
シキは叫びながら、衝剄を放とうとするが、それよりも早く六体の老生体が衝剄に当たって吹っ飛んだ。
突然のことで唖然としていると、シキの背後に聞きなれた者たちの声が聞こえてきた。
「無事か!? 無事だよな、シキ!」
「……まったく、手間がかかる弟子だ」
「おや? リンテンスさんがそこまで言うとは。明日は異常気象ですね」
『お主ら、余裕かましてないで早々と終わらせるぞ』
「あぁ、シキ! 腕が無くなってるじゃないか! ティアに見せたらどうなるか……」
ルイメイが鉄球を振り回しながら、慌ててシキに駆け寄り、その後ろからは肩を並べながらリンテンス、サヴァリスが歩いてくる。
さらに後ろからは全身ガッチリと鎧で硬めたリヴァースが走ってくる。ティグリスの声が聞こえたが、デルボネの端子から聞こえたので遠距離から狙っているのだろう。
「な、なんで?」
「こっちの台詞だ。何、軽く汚染物質を克服してる。てめえは汚染獣でも成り下がったか」
夢かと思ったが、リンテンスの言葉で現実だと認識する。
一体がもう一回突っ込んできたが、リンテンスの鋼糸に捕まり、一瞬で細切れにされる。
「六体の老生体なんて体験できるものじゃない。楽しませてもらいますよ」
まだ体がふらついているサヴァリスを見て、シキは止めようと思ったが既に天剣を復元しているので止める気がなくなった。
というか、もう六体の内の一体を空中にカチ上げているので時すでに遅い。
『まったくお主には、クラリーベルを任せようと思っておる。ムチャだけはするな』
「世話係決定ですか? 永久にアルバイトしろと」
『そうじゃないじゃが……おっと、人型とあって中々避けるの』
そう言いつつも、数本の弓矢が老生体を貫いているのを見て、ティグリスの技量に舌を巻く。
「てめえら!! 覚悟出来てるんだろうなぁ!!」
「わっ!? ルイメイ! そんなに突っ込んだらいけないよ」
鉄球を操りながら、二体の老生体に突っ込んでいくルイメイをフォローするべくあえてルイメイより前に出るリヴァース。そこに老生体の武器が襲いかかるが、甲高い音と共に弾き飛ばされる。
リヴァースの金剛剄が発動されたのだろう。ひたすらに防御するだけのリヴァースだが、二体の老生体の攻撃を物ともしない防御力は、凄まじいの一言に尽きる。
そこにルイメイの鉄球が足されるので、二体の老生体は次第に防戦一方になっていった。
「あぶねっ」
傍観していたシキだが、刀を持った老生体が向かってきたのでギリギリのところで避ける。
かなりの使い手なのだろうか。後ろに下がり、体勢を整えてシキに殺気を送ってくる。
まさか、汚染獣がそんな戦法に出るとは思っていなかったので、シキは目を丸くして驚
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