第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
十年前の亡霊
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いた。
そんなにらみ合いの中、リンテンスがシキに話しかけた。
「おい、馬鹿弟子」
「なんでしょうか、グータラ師匠……おっと!」
リンテンスは無造作に、シキに向かって剣帯を投げつける。
一瞬だけシキの気が緩んだところに老生体は、仕掛けてきた。シキは剣帯にぶら下がっている錬金鋼の一つを手に持ち、復元する。
「レストレーション02」
箱状だった錬金鋼が質量を変化させる。
シキの手に収まったのは、持ちなれた自分の剣であった。
「ぶった切れ、馬鹿弟子」
リンテンスは軽い口調でそういう。
シキは返事もせず、向かってくる刀に向かって剣を振るう。打ち合った剣と刀は音を立てて彈かれる。
シキは、剣を放り投げて一気に老生体の懐に飛び込んだ。
まだ体勢を立て直せていない老生体は向かってくるシキに向かって吠えた。
だが、シキは眉一つ動かさず、槍の錬金鋼を復元するが、復元途中であるそれをそのまま突き出す。
収束される前に突き出された槍頭は、無秩序な軌跡を描きながら老生体の体を引き裂く。
サイハーデン刀争術、 虚蠍滑り。
「レストレーション07」
完全に復元された槍を突き出し、痛みにもがいている老生体の喉元に突き立てるシキ。
そして容赦なく、剄技を放った。
外力系衝剄の変化、餓蛇。
自らを巻き込むように回転し周囲を抉る剄技は、その効果どおりに老生体の喉を中心に抉りとった。
老生体は一瞬で絶命したが、シキは不安だったのでさらに追撃をする。
「念入りにな」
槍を老生体の胸部分に突き刺して、指向性のある爆発を起こす。
外力系衝剄の変化、爆刺孔。
粉々になった老生体を見向きもせず、シキは槍を放り投げる。
何故か? 槍頭が赤く変色していたからだ。
「やっちまったぁあああああっ!!」
全力でその場から逃げつつ、剣を回収したところ、槍が爆発した。
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