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転生者が歩む新たな人生
第2話 惨劇の日
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て。

 まさか………。まさか………。

「ナギ父さん………?」

「ネギか」

「………サギだ!」

「ワリィ! サギの方か………」

 をいっ。ここで息子を間違えるか?
 最低でも髪の色で見分けがつくだろうに!

 しかも、悪いの一言で済ませましたよ! バカ親父が。

 それまでの恐怖もどこへやら。
 文句をいってやろうとするが、なんだか体に力が入らない。

「おい、どうした! サギ! しっかりしろ!」

 ………。

 ごめん、とにかく静かにしてくれ。体に力も入らないし、頭もガンガン痛いわ。

 あー、もしかしてこれまずくないか?

「サギ………。ワリィ。回復呪文は苦手なんだ。ホント、すまねぇ。時間がねぇんだ。ネギも探さねぇとまずいからな。あれだ、とりあえず、詠春のところへ送るから、そこで治してもらえ。奴なら大丈夫だ!」

 と言うと、ふところからアンチョコを取り出し、呪文の詠唱を始める。

「ネギ兄さんだけじゃなくて、ネカネ従姉さんもいるんだ!」

 なんとか、声に出して頼んでおく。
 これだけで力が尽きそうなんて、殴られたときに毒でも盛られたか?

 詠唱が完了したのか、バカ親父がオレの頭にぽんと手を置くと転移魔法が発動する。
 オレが最後に見たのは、イイ顔で右手の親指をあげてサムズアップするバカ親父だった。

「サギ、幸せになれ! あっ?」

 それがバカ親父の残した最後の言葉だった。

 ………とりあえず、今度会ったとき殴ろう。そう心に誓った。

 あっ? ってなんだよ!
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