第2話 惨劇の日
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グが訪れる。
そう元老院強行派による悪魔の襲撃だ。
ぶっちゃけなんとか逃げようと色々画策したが、世界に修正力があるかのように無理だった。
まず第一に村から出ることがかなわなかった。
散々理由を考えて、メルディアナの魔法学校の校長をやっているらしい祖父に会ってみたいと言っても、わざわざ向こうが村に来る始末で、決してオレ達2人を村から出そうとしない。
所詮は3歳児、しかも育ててもらっている負い目がある分、村の大人には逆らえない。
あるいは、「村が襲われる」と危険性を訴えようとしても具体的に理由を説明できないので、ほのめかすのが精一杯だ。
そうなるとどう話しても「この村なら大丈夫じゃ」と、昔からいる人も「英雄」を慕ってきた若い人も、「大丈夫、心配ない」の一点張りだ。
その日はイースター−−−春分の日の次の満月が出た週の日曜日−−−のお休みを利用してネカネ従姉さんが帰って来る日だった。いつもは一緒に帰って来るアーニャ姉は学校の友達とイースターのイベントがあるらしくて、今回は帰って来ないらしい。
その日の朝、ネギ兄さんと2人、湖に釣りに来ていた。
で、お昼も過ぎて、そろそろネカネ従姉さんが乗るバスが来る時間なので、ネギ兄さんを促して村のバス停まで走り出す。
そして、遠くに見えたのは火に包まれる村だった………。
遠目で見てもわかる。轟々と家が燃え、遠くから聞こえる村の大人達の怒声と悲鳴に交じって、物を破壊する音まで聞こえて来る。
静かで空気が綺麗な素朴な村は姿を変え、まるで地獄のようだ。
て、いかにも落ち着いた感じで語っているが、単に目の前の光景にまったく現実味が無く、ただただ呆然とするばかりだ。
「行かなきゃ」
後ろから追いついて来て、同じように呆然としていたネギ兄さんは、オレを置いて走り出す。
「待ってよ、ネギ兄さん。どこ行くんだよ?」
とっさに声が出る。だがそれは聞こえなかったらしい。
「ネカネお姉ちゃーん、おじさーん、おばちゃーん」
そう声を出して、振り向かずネギ兄さんは村へ駆けて行く。
「えっ? ちょっ。 待ってよ」
ダメだ。まったく頭が回らない。
備えていたつもりだったのに、前世でも経験したこともない大災害を前に何も考えれない。
………そうか、これが恐怖なんだ。
一度わかるともう止まらない。
足は震え、両腕で自分をしっかりと抱きしめる。
どれくらい時間が経ったのだろう。5分か10分か、はたまた1時間か。
ようやく少し落ち着き、次にどうするかをやっと考え始めれる。
ネギ兄さんを追う?
あの火事の中を?
ネカネ従姉さんや村の人がいる
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