海部澄
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な人なんだろう。
少し気になるかも。
「せめてドアを閉めて。恥ずかしいから。」
「そうだね。私と玲菜の関係を知られる訳にはいかないもんね。」
「だから誤解を招くことは言わないで〜。」
なんだろう。
この人はなにがしたいのかわからない。
でも何かを企んでいるのはわかる。
「それで何しに来たの。」
「尊敬する玲菜さんに会いに来たのですよ。」
「嘘ばっか。」
「分かっちゃいます?」
不敵な笑みを浮かべている澄。
「実はあなたを取り返しに来ました。」
「何度も言っていますけどお断りします。」
「やっぱりですか。」
何時もならこれで諦めるのに様子が違う。
まだ何か企んでいる顔をしている。
「玲菜さんの力はここでは発揮されていません。こんなところでは宝の持ち腐れですよ。」
「そう言ってもらえるのは嬉しいです。でも青葉は弱くはない学校なので私は思う通りに力を出せています。」
「自分では分かってないのですよ。玲菜さんは副隊長ではなく隊長の器を持っています。作戦を考え、的確な指示を出す凛々しい姿。それが本当のあなたのはずです。」
私も見た頃のない澄の真剣な説得。
答えてあげたくもなっちゃうけど私は断る。
平塚水産高等学校付属中学。
私の母校にして、敗北の地。
敗北の地とは大会における失態を意味する。
「ごめんなさい。そこまで言ってくれたのは本当に嬉しい。でも私はここに残ります。」
「そうですか。なら最後の手段です。」
最後の手段?
力づくとかやめてよね。
「今日の試合。一対一で私と勝負してください。大会本部にフラッグを用意してもらいました。ですのでフラッグ車の一騎討ちで蹴りをつけましょう。」
「なるほど。でも私だけで決めることが出来ないの。一騎討ちなら両方が納得いくのは分かるけどね。」
「耳を当てて聞いている青葉の隊長さん。この件に賛成してくれますか?」
澄が言うとドアが開けると本当には伊達さんがいたよ。
「まあ良いんじゃない。その方が星見さんにとって一番の方法なら。」
「決定だね。それじゃあ準備するために戻るね。」
あ〜あ。
もうどうなっても知らない。
澄は強いのに。
「しっかりしなよ。星見さんなら勝てるよ。」
期待されても困るんだよね。
まあ頑張るけどね。
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