暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works togetherG〜
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しての移動方に気付くはずもなく、メイコムは地に堕ちる

「・・・まだ立つか?」

その言葉に対する返事はまたも背後から

「当たり前だ」

振り向きざまに回し蹴りを見舞うがその攻撃は空を切った

「どこだ・・・?」

おそらく光を反射させて錯乱させる気だろう
目を閉じて聴覚に全てをゆだねる

「・・・」

かすかな風の動きに細心の注意を払う
その時、風が動いた

「そこだ!!」

右手に集めた魔力を右に打ち出す
その時

「がはッ!?・・・何故・・・ッ?」

「姿と気配は別もんだ。お前は姿にとらわれすぎて気配の消し方が荒い」

そう言い終わる前にメイコムは意識を失っていた
ちょうどその時、階段からミラが駆け降りてきた

「クルス〜終わった?」

「あぁ。後はそこに居る黒バルカンと魔道士を解放すれば終わりだ・・・!?」

黒バルカンの姿が、ない

「ッ!!」

背中に一筋の冷や汗が垂れるのを感じるよりも早くミラを抱えてその場から飛び退く。そのとたん、さっきまでいた場所には土煙が立ち込めていた
紅い、目―――それを確認した時にはその紅い二つの目が俺の目と鼻の先にあり、振りあげられた手が俺を狙っていた

「悪い!」

ミラを軽く投げて、俺は両手をクロスさせて防御する

「クルス!??」

投げられたミラが見たのは、両手を突き出した黒バルカンと、壁に減り込み、頭から血を垂らすクルスの姿だった

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