十九話
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「了解いたした。では、その事伝えておきましょう」
使者が去った後、袁家の者から恩賞の品が黒田宛に大量に贈られてきた。
その量を見て、さすがに春蘭、秋蘭は驚いたが、華琳はため息を尽き、袁紹達のやり方に呆れた。
如水も感心し感想を述べた。
「すごいですね、さすがは袁家と言った所でしょうか。食用の獣の量で、牛十頭、羊二十頭、豚が三十頭。更に麦等の穀物は全てで六十石、そして酒が五石これだけの進呈を見るのは久しぶりですね」
「貴方、前にもこんなに貰った事あるの?」
祝いの品の量より如水の発言に華琳は驚いた
「いえ、逆です。私が送る側でした。といっても私は荷物の宰領をしただけで、別に私が贈ったわけでも貰ったわけでも無いのですが」
「そう、でどうするの、その品物」
華琳の問いに如水が答えた
「貴女に返しますよ、私はあくまで曹操軍の将として働き、貴女に兵を借りて戦ったのです。当然この品の持ち主は貴女ですから」
その如水の言葉を聞き、予想していただけあり驚かなかったが、あまりにも明快に答えられたので照れて顔を背けた。
気を取り直した春蘭は疑問を言った
「袁紹らの狙いは一体何なのでしょうか」
「今回の連合は袁家が主体となり、集まったけど、別に袁紹の為に働く必要なんか無いわ。袁紹がそれに気づかなくても、その辺を顔良あたりが考えたのでしょう。働けばこれだけの恩賞を与えるって教えたいのでしょ」
桂花の説明に納得し華琳も賛同した
「そうね、袁紹はあくまで盟主に過ぎない。あの馬鹿はそれに気づいていないのでしょうけど、とにかく、奴らは物で釣って味方を維持したいのよ。事実、この恩賞の事を知った他の陣では次の戦いでは自分達が先鋒を引き受けようとしているみたい」
「だとしたら、董卓軍はもうこれ以上の攻勢に出れませんし。桂花さんの話だと董卓は足元に火が付き出しています。おそらく、虎牢関に守備を割いている場合では無く、洛陽の都での決戦の兵力しか残って居ないでしょうから、私達だけが貰ってしまう事になりますね」
「いいのよ、それだけの事をしたのだから、貴方達は」
そして、それ以上の吉報が治療を施していた者から届いた。
「曹操様、如水殿。楽進、李典、于禁の御三方は無事に治療が終わり、四日後には動ける様になるとの事です」
その事を聞き、如水は、ようやく安心した様だった。
「そうか…、よかった」
それを聞いた華琳は如水をなだめた。
「よかったわね、でも、貴方の教えた部下なのよ、この程度でやられる様に指導していないでしょう。もう少し信じてあげなさい」
「そうだぞ、それに楽進達はお前が居ない時でも私達に教えを請うて来たのだ。そうだろ、秋蘭」
「ああ、お前が文官として働いている間、私や姉者、それに季衣とも何度も立ち会いをしていた。あいつらは強い、
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