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恋姫〜如水伝〜
十九話
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水殿が戻られるまで、私達のする事をしてしまいましょう」
「そうだな、このままでは如水ばかり働かせてしまう、秋蘭、行くぞ」
「わかった、では、華琳様。兵に休息を取らせますので、我らはその指示をします」
「なら、私は、負傷者の治療の指示を取ります」
「いいわ、行きなさい」
その言葉で春蘭らは各自に指示を与えに行った。
一人残った華琳は不機嫌な顔で
「…私は、別に、あそこまで自分の事を顧みていないわよ…」
と言い、秋蘭らの言った言葉を気にしていた。


一刻程経ち、如水は宛がわれた宿舎を出て、曹操軍の本陣に向かった。
「よく来たわね、改めて言うわ。見事な勝利だったわ」
「ありがとう、だが、私より、華雄を討ち取った三人の働きのおかげだ」
「まあ、いいでしょ。それより、今後の事だけど、袁紹は宴を設けて戦勝を祝う気らしいわ。相変わらず無駄が好きね」
「いいのでは無いか、好きにさせて置けば、こちらは治療に五日は掛かる。それを理由に辞退すればいい」
「如水殿の言う通りです。それにまだ、董卓軍の内情は見えていません。迂闊に動くより、ここでしばらく、情報を集めた方がいいです」
如水、桂花の意見に春蘭は反論した
「しかし、そんな悠長にしていていいのか。相手が立て直す前に動いたほうが良いと思うぞ」
その意見には秋蘭も一応賛成した。
「私も姉者に意見に賛成だ、しかし、二人がそこまで言うなら、何か理由があるのか」
秋蘭の質問に如水と桂花が答えた
「まず、朝廷の動きだけど、どうやら、今回の華雄の戦死と軍の壊滅で董卓側は勢いを無くし始めた様なの。多分、宦官連中が息を吹き返したからだと思うわ。それに董卓の軍は吸収した禁軍がほとんどで、董卓軍の主力は水関と虎牢関に配置されていた。その前線の水関が落ちた今、宦官に近かった禁軍が董卓を見限り出すと思うわ」
桂花の意見を聞き華琳は納得しありえるだろうと思った。
「それと、以前から噂があったのですが、董卓の本拠地の涼州や他の土地でも大規模な飢饉が起きているそうです。そして洛陽の都には百万以上の住民と、多くの難民が流れています。時が経つほど、彼らは食に困り董卓を見限るでしょう、そうなった時、董卓の勢いは萎んで行くでしょう。元々、無理に無理を重ねた急激な勢力拡大ですから罅が入れば崩れていきます」
二人の意見を聞き春蘭と秋蘭は納得した。そして華琳も決断を下した
「しばらくはここに留まり休養するわ。麗羽の方には私から上手く言っておくわ」

会議が終わった所に、袁紹からの使者が来た。
「曹操殿、我らが袁紹様そして従姉妹の袁術様より、先陣の大任を務めた黒田への祝いとしてこれらの品物を進呈されるとの事、どうか受け取って頂きたい」
「役目ご苦労、袁紹、そして袁術には後、この曹操が礼に参ると伝えて欲しい」

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