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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-27成長の速度
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ともと、できてたわけじゃないと思う。やっぱり、アリーナはすごいね」
「ユウよりは年が上だし、旅に出たのも早いからな。ユウの身体が追いつくまでは、無理に速くする必要は無いな。本来は、遅くても十分に効果のあるものだ。成長に合わせて、焦らずにやっていこう」
「うん」

 手合わせを終えたふたりに、ブライとクリフトが近寄って来る。

「王子。あれほど、加減を忘れぬよう申しましたのに。とは言え、想定しておった内容とは違いましたな。次からは、お気を付けになりますよう」
「ああ、わかっている」
「おふたりとも、素晴らしかったですわ!でも、ユウさんには負担だったのですね。お身体は、大丈夫ですか?」
「うん。アリーナが、止めてくれたから。どこも痛くないし、大丈夫だと思う」
「後で影響が出てくることもありますわ。念のため、少し回復しておきましょう」

 クリフトが、少女にホイミをかける。
 少女の身体全体が淡い光に包まれ、見えない損傷を回復する。

「ありがとう、クリフト。ホイミは、こういう使い方もあるのね」
「肉体の損傷と体力の消耗を、一括して生命力の損耗と捉えて、必要に応じて回復力を振り分けるのが、ホイミ系の魔法ですから。慣れないと難しいかも知れませんが、回復力を身体全体に薄く広げて振り分けると、こうなります。私はまだ使えませんが、上級のベホマであれば、振り分けるまでも無く全快させることが出来る反面、回復のし過ぎは訓練の効果を失わせるとも言われています。痛みは無いということですから、ホイミでも余剰になりそうな回復力は、体力の回復に回しました。恐らく、これくらいが適当かと」
「そうなのね。どちらかを治すやり方しか、知らなかった。今度から、寝る前に練習してみる」
「それなら、私がお力になれそうですね。わからないことがありましたら、何でも聞いてくださいね」
「うん」
「クリフトがついておれば、大丈夫じゃとは思うが。あまり、(こん)を詰めぬようにの」
「はい。ユウさんに無理をさせるようなことは、致しません」


 そうこうしているうちにトルネコが起き出してきて、四人に声をかける。

「みなさん、おはようございます。お変わりは、なかったかしら。そろそろ、食事の支度をしようと思うのですけれど。お取り込み中かしら?」
「おはようございます、トルネコさん。丁度、区切りが良いところでしたわ」
「おはよう、トルネコ。お手伝いするね」
「夜間は、特に変わったことは無かったの。強いて言えばユウちゃんのことじゃが、まあ、後で良かろう」
「まあ、そうですの。それなら、あとでお話をうかがいますわね。ユウちゃん、行きましょうか。みなさん、もう少しここを、お願いしますわ。」
「ああ。このまま一日戦っても、問題無いくらいだ。気にせず行ってくれ」

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