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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-27成長の速度
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事のような顔はしていられませんね。でも、王宮は、綺麗なだけの場所ではありませんから。ユウさんをお連れするのは、少し心配です」
顔を曇らせるクリフトに、ブライが事も無げに請け合う。
「なに。王子とわしと、クリフトの不興を買ってまで、おかしな手出しをしようとする者などおるまいよ。しようとも思わぬように誘導することも、実際にしようとしたときのことも、幾らでもやりようはあるでな」
ブライの言葉に、
半
(
なか
)
ば納得し、半ばは怪訝な顔になるクリフト。
「アリーナ様とブライ様はともかく、私……ですか?私には、そのような権威も何もありませんが」
「このような場合に役立つのは、権威だけとは限らぬのじゃ。まあ、わからねば良い。ユウちゃんが来てくれるとも、限らぬしの。ただでさえ重い運命なのじゃ、重荷ならばこれ以上は必要無い。とは言え、隠しておけば守れるとも、限らぬしの。どうするが最善かは、ユウちゃんの希望も含めて、よく考える必要があるの。いずれにしても、先のことじゃ」
「そうですね。まずは、目の前のことですね」
ブライとクリフトが話し込む間にも、アリーナと少女は手合わせを続ける。
アリーナの洗練された動きにつられて、少女の動きも、鋭さを増していく。
動く速さと精度はそのままに、アリーナが余裕で言葉を発する。
「だいぶ、慣れてきたな!少し、速くするぞ!」
「うん」
少女は動きに集中しながらも、瞬時に言葉を返す。
宣言通り、アリーナが打ち込む速度を増していき、少女も合わせて速くなる。
更に集中し、自身の限界を超えて動き続ける少女の姿に、アリーナが再び声をかける。
「ユウ!そろそろ、終わるぞ!」
動きに集中する少女は、返事をしない。
聞こえていないと見たアリーナは、それまでの動きの調和を、わずかに乱す。
少女がぴくりと反応し、打ち込む速度が、わずかに鈍る。
すかさず、打ち込まれた剣の刃を、アリーナが両掌で挟み込んで受け止め、そのまま力を込めて保持する。
剣を引こうとして止められ、しばしそのまま動きを止めていた少女が、我に返る。
「……アリーナ。もう、おしまい?」
「ああ。ついてこられるからといって、急に速くし過ぎたな。すまない」
「ううん。アリーナに合わせてたら、いつもよりうまく動けた。最後は、ほとんどなにも考えてなかったけど」
「ユウは、技術の高さと反応の速さに、身体能力が追いついていないんだな。身体の成長を追い抜くほどの技術を身に付けた者は見たことが無かったから、気が回らなかった。無理に動けば、負担がかかる。いずれは、身体も追いつくだろうが。それまでは、気を付けよう」
「そうなのね。でも今までは、こんな動きはしようとしても、できなかったから。も
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