暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
同盟会談〜
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トが右手を突き出した。どうやら詠唱をしていたようで、辺りを黒い煙が覆った。

「うわ・・・!!」

あっという間に側にいた筈の面々も見えなくなる。

「リーファ、ちょっと借りるぜ」

「わっ!?」

キリトの声とリーファの声が聞こえた後、ユージーンが叫び、魔法で煙を吹き飛ばした。・・・しかし、そこにはキリトの姿はなかった。

「あれ・・・?」

背後のケットシーが呟く。

「まさか、あいつ、逃げ・・・」

「そんなわけない!!」

それを真っ先に否定したのはリーファだ。・・・ま、だろうね。だって・・・

「・・・」

俺は上を見上げる。ほら、やっぱり。

「・・・!!」


キリトが全速でユージーンに向かって突っ込んでいく。そしてユージーンもキリトに気づき、突進する。そこで気付いた。キリトの左手にはリーファの刀が握られていた。アレはキリトの使っていたスキル・・・二刀流だ。・・・だが、きっと通常は扱える訳がないとユージーンは踏んだのだろう。更に加速していく。そしてキリトより早く剣を振るい、防御に回した大剣をすり抜け、キリトに当たる瞬間・・・左手の刀が弾いた。

「お・・・おおおあああーーーー!!」

そこからはキリトの独壇場だ。左右の刃が鮮やかに光り、ユージーンを押していく。そして・・・遂に一撃が決まった。

「な・・・」

「ら・・・あぁぁぁぁ!!」

そしてそのまま連続斬りを放ち・・・ユージーンの体が爆発した。

「・・・」

誰も声を出さなかった。シルフもケットシーも、サラマンダーも・・・それほどの戦いだった。

「見事、見事!!」

その沈黙を破ったのはサクヤだ。両手を打ち鳴らしながら声を出す。

「すごーい!ナイスファイトだヨ!」

アリシャに続いてケットシーもシルフも・・・なんとサラマンダーも歓声を挙げていた。キリトは四方に一礼して、リメインライトを差し出した。

「誰か、蘇生魔法頼む!」

「解った」

サクヤが頷き、近づく。

「回復ならお前の方がいいんじゃないか?」

咲に聞くと咲は頬を掻く。

「いや・・・まだ蘇生魔法のスペル暗記してないんだよな・・・攻撃と回復なら覚えたんだけどよ・・・」

「あ、そう」


・・・まぁ、確かに俺もまだ全部暗記してないからどっこいどっこいか。




「・・・見事な腕だな。俺が今まで見た中で最強のプレイヤーだ、貴様は」

「そりゃどうも」

それを見て咲が前に出る。

「あの、わたし達の話を信じてくれますか?」

「・・・」

ユージーンは沈黙し・・・口を開いた。

「スプリガンとウンディーネか・・・ふ、そういうことにしておこう」


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