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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第二章 『過去と記憶』 ‐断片‐
第28話 『姉と妹』
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ってね」
「……は? 娘? ね、姉さん子供が居るんですか!?」
「あー、うん、ちょっと言い方が悪かったね。そうだね――『娘』みたいな存在かな? 2人居るんだけど。そしてそのうちの一人に協力してもらって、調べさせてもらった――続けていいかな? 箒ちゃん」
「ふ、腑に落ちませんが……どうぞ」
「うん、今の箒ちゃんは――周りに対して劣等感を抱いている。違うかな?」
「ッ……ええ、その通りです」
「箒ちゃんは、学園で色々あって……自分は無力だ、何も出来ない、だけど何かで周囲の力になりたい、そう考えてるんじゃないかな?」
「――その通りです」
「……ふふ」
「な、何がおかしいんですかッ!? 私は――何も出来なかったんですよ!? ただ見ていることしか出来なかった、それが……それが悔しくて仕方ないんですッ!」
「ご、ごめんね箒ちゃん――そうじゃないんだ、決して箒ちゃんを馬鹿にしたとかそんなんじゃなくてね――本当、強くなったね」
「姉さん?」
「一体箒ちゃんをそうさせたのは何かな? いっくんに、ちーちゃんに、それから――他の周りと、『ゆーくん』かな?」
ッ!?
私は、姉さんの言葉で一気に身体が強張るのを感じた。
今――姉さんは『ゆーくん』と言ったのだ。
それは誰だ? もし、もしも私の想像が正しければ――
悠、月代悠ではないのか?
「姉さん――今、ゆーくん と、そう言いましたか?」
「うん? あー……うん、言ったね」
「それは――悠、 月代悠 ですか?」
「――そうだよ、箒ちゃんの思っているので間違いないよ」
私が知っている姉さん――篠ノ之束という人物は、愛称で人を呼ぶことなど殆ど無い。
私、一夏、千冬さん、少なくとも愛称で呼ぶのはそれくらいしか居なかったと私は記憶している。
だが、今姉さんは――悠のことを、愛称で呼んだ。有象無象や他人と言う言葉ではなく、愛称で呼んだのだ。
だったら――姉さんは、悠の事を知っている?
「……姉さんは、悠のことを知ってるんですか?」
「――束さんの失言だったけど、その質問には答えられないかな」
「姉さんッ!!」
「ごめんね、幾ら箒ちゃんの頼みでもそれは言えない――だけど」
「だけど?」
「何度も言うけど、過去を追って。周りの過去と自分の過去、それから――ちーちゃんと、いっくんの過去も。 その先はとても残酷だけど、箒ちゃんの探してるものが全てあるから。だから、覚悟と意思があるなら、過去を追って」
何故姉さんが執拗に過去を追えというのかはわからない。
だけど、その中に私が疑問に思っていることと、もしかしたら――まだ知らないことがあるのではないかと思った。
それに……姉さんが言った、この先起こる大変なこと、というのも気になる。
恐らくそれら全
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