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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第二章 『過去と記憶』 ‐断片‐
第28話 『姉と妹』
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せん、姉さん」
「ッ……何で、かな?」

電話の向こうで姉さんが息を呑んだのが分かる。
それがどうしてかは私にはわからない、だけど――私の結論は決まっていた。

「簡単な話です。『他人から貰った力は自分の力ではない』などとは言いません。ですが……私には、そんな大きな力を持つ覚悟も資格もまだありません。 もし、何の覚悟も、意思も無しにそんな絶大な力を手に入れれば――それはただの暴力の塊です。信念、意思、覚悟、それがない力などただの暴力でしかなくて、それこそISはただの『兵器』なります。姉さん――私を試しているんですか? それとも、本当にそう言ってるんですか?」

「……言ってる意味がわからないな、箒ちゃん」

「――この際ですからハッキリ言いましょう。私は、姉さんがあまり好きではありません。ですが――嫌っているわけでもありません。 姉さん、姉さんがISを作った当初の目的は何ですか? 私は覚えています。姉さんが『宇宙を目指したい』と言っていたのを。あの時に姉さんが言っていたことが本心なら、姉さんは……『ISを兵器としてなんて作りませんよね?』 そう考えたら、今姉さんの問いかけは、私の推測でしかありませんが、姉さん自身のそんな意思を否定している。 だからこそ、私は思ったんです――姉さんは私を試しているか、それか心変わりして完全にISを兵器として見るようになったのかと」

「……あは、流石だね箒ちゃん。暫く見ないうちに――強くなったね?」
「もう一度訊きます、用件は何ですか?姉さん」

電話の向こうで姉さんが「そうだね」と呟くと、いつもとは違う――どこか真剣な声で言葉を紡ぎ始めた。

「さっき言った事は本当だよ、箒ちゃん。 力が欲しくない? っていうのはね」
「くどいですよ、今の私にそんな大きな力を持つ資格はありません」

「最後まで聞いて、箒ちゃん。 これは、束さん、ううん――お姉ちゃんからの警告。これから先、凄く大変な事が起こると思う。そして箒ちゃん、きっと箒ちゃんもそれに巻き込まれる。巻き込まれて、選択を迫られる。そんな未来の事態に備えて――今の箒ちゃんには力が必要なんだよ」

「……? 何を言っているのですか? 姉さん」
「そうだね、ちょっと不明確かな――だけど、説明は出来ないんだ。 できないけど、1つだけ言える――  『自分の過去と周りの過去をを追って』 箒ちゃん」

過去を、追え?
姉さんは何を言っているのだろうか。
力が必要になる? 選択を迫られる? 
わからない、どういう事だろうか。

そんな事を考えていた私だが、次の姉さんの言葉で思考していた頭は、その思考を一瞬で破棄することになる。


「……悪いんだけど、今の箒ちゃんのことちょっと調べさせてもらったよ。束さんの『娘』に協力してもら
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