第三話 唸れ師の拳!その名はブーメラン!
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コンピュータのキーを弾きながら澪に指示されようやく実戦が出来ると思い構える大河。
「よし・・・ティグリス聖衣!」
大河が叫ぶがうんともすんとも言わない虎座の聖衣。
長い沈黙が流れると気を取り直して澪が言った。
「・・・もう一度」
「ティグリス聖衣!」
再びうんともすんとも言わない聖衣。その後、何度も何度も聖衣装着を試みるが全く持って反応しない事に澪はコンピュータを懐に持ち。
「時間の無駄・・・」
さじを投げた。
「ちょっと待てよ!なんだよそれ!」
「これ以上は時間の無駄。小宇宙も発しないし聖衣も装着できない・・・数値の上がらないし出るだけ無駄よ」
そう言ってさっさと大河を背にして出ようとする澪に対し大河は俯き拳を震わせた。
「てめぇ・・・目に見える基準でしか人を見ねぇのかよ!!」
「・・・」
大河の言葉に歩めていた足を止める澪。
「おめぇみてえな・・・機械みてえな心のロボハートなんかこっちから願い下げだ!!」
そう言って澪に背を向けて立ち去ってしまう大河。
その背中を黙って見つめる澪。
すでに夜となったパライストラの外に出た大河はシャドーボクシングをやっていた。
むしゃくしゃしていると身体を動かすようにしている大河。
一通りのシャドーが終わると冷えた頭で澪の事を考えていた。
「あいつ・・・何なんだよ・・・努力や根性なんて無駄なだけだなんて・・・」
「全くだな」
「檄先生?」
突然、声が響き大河が振り返るとそこには檄の姿が、腕を組んで檄が澪のことを話し始める。
「・・・あいつもあいつで人の事を信用出来ねえ理由があるんだよ」
「人を・・・信じられねえ理由?」
「あいつ頭が良くてな・・・周りの奴はそれしか見なかった・・・あいつの内面を見ようともしない奴らしか居なかった」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
その言葉に何かを思う大河。
「まぁ。お前みたいな体力馬鹿に刺激されればあいつのロボハートもヒューマンハートになると思ったんだけどな・・・ん?」
檄が呟くとそこには大河の姿は無く、パライストラに戻っていく背中が見えた。
自室で無表情でコンピュータのキーを弾いている澪。
すると、ドアがバンと開き大河が入ってきた。
「大河?」
「明日・・・俺の試合・・・見ろ」
「何言ってんの?」
「おめえ俺のセコンドだろ・・・だったらその目ん玉でしっかり見る義務がある・・・見せてやるよ・・・努力と根性をな」
それだけ宣言すると澪の部屋から出ていく大河をポカーンと見つめる。
「何言ってんのあいつ・・・セコンド?・・・私?」
思考を呼び戻し何かを
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