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我が剣は愛する者の為に
強者と弱者
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にいる侍女の尻をいやらしい手つきで苑意は触っていた。
しかし、侍女は何も言わずただ黙って耐えている。
不快と思っている筈なのにそれらすらも、極力顔に出さないようにしている。
今すぐにでも助けに行きたいが、歯を強く噛んで耐え、玉座の間を後にした。
廊下を歩き、個室に向かっていると前から胡蝶が歩いてくるのが見えた。
さっきの少女の事が気になっていたので、どうなったのか聞く。

「ちょうど医者がいてね、何とか助かったよ。」

「そうか、それは良かった。」

「ただ教えて貰った診療所では診て貰えなくてね。
 幸いにも他所の医者が居てくれて何とかなったけど。」

詳しい話を胡蝶に聞いて、本格的にこの街は弱肉強食が浸透しているのが分かった。

(どうやら賊との関連以外にも、やらないといけないことがありそうだな。)

俺は部屋に戻らず、街を見回ると胡蝶に告げると。

「私も着いて行く。」

「・・・・意外だな。
 てっきり部屋で待っていると思ったんだが。」

「この街を見ているとね、イラついて堪らないんだ。」

「どういう事だ?」

「歩きながら話すよ。」

そう言って俺よりも先に胡蝶は街に向かって足を向ける。
何となくだが、あいつの声は苛立ちが感じられた。
俺も彼女の後に続いて街に向かって足を向けた。
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