強者と弱者
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ここはそれが平然と繰り返されている街です。」
次に診察する家の前に着いた無明は胡蝶に別れを告げ、家の中に入って行く。
胡蝶も馬に乗り、城に向かった。
雲流に案内され、兵達に休息を命じ、俺はこの街を統治している者に会いに行く。
玉座の間に入ると肥え太り見るから上質な絹で作られた赤の服を着た男が、机に並べられた豪華な食事を堪能している所だった。
「苑意様、曹操様からの使いが只今到着いたしました。」
「うむ、ご苦労。」
仮にも相手は華琳より上の地位。
膝を折り、ある程度の礼節を見せる。
「私は曹孟徳の部下、関忠と申します。」
「救援の早馬を聞いてからの迅速な対応、感謝するぞ。
今朝に賊が近くの村を襲われ、兵達も苦しんでいたところだ。
そなた達の活躍に期待しておる。
下がっても良いぞ。」
普通ならここで下がるが、どうしても尋ねなければならない事があるので尋ねる。
「一つ尋ねたい事があるのですが。」
「何だ?」
食事の邪魔をされて不満の籠った声を出す。
「街の住人についてです。
彼らは貧しい人間を寄ってたかって虐げています。
これに対して何も対策を取らないのですか?」
「まぁ、他所から来たお前には異常に見えただろうな。」
箸を置いて面倒くさそうに苑意は答える。
「民は弱者だ。
搾取され続け、統治者が変わればその流れに身を任せる。
それではいつまで経っても弱いままに過ぎない。
統治者は民を強くしなければならない。
他の所よりもより強く!
だからこそ、私は弱肉強食の制度を作った。
強き者が私の傘下に入れ、良い思いをさせる。
所謂、勝ち組という奴だな。
定期的に街を見回り、どれだけ強者なのかを知りその者を傘下に加える。」
「なん・・・だと・・・」
思わず素の言葉が出てしまったが、呟き程度なのと距離が離れていたために聞こえていないようだ。
「これを続ければより強い強者が生まれ、兵に繋がり、どこよりも強い兵や民が生まれる!
それによって・・・」
「苑意様。」
興奮したのか話を続けようとしたが、雲流の冷静な一言を聞いて正気に戻ったのかわざとらしい咳払いをして。
「まぁ、そういうことだ。
よそ者であるお主には関係のないこと。
ほら、分かったのならさっさと下がれ。」
「・・・・・」
言いたい事は山ほどあった。
だが、それを喉元でぐっと押える。
ここで啖呵を切って、言った所で何も変わらない。
むしろ、華琳の立場を悪くしてしまう。
頭を下げて、下がろうとするが。
「にしてもお主はいい尻しておるの。」
下衆な言葉を聞いて後ろを振り返る。
苑意の近く
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