十三話 後
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その言葉、そして自分の剣が打ち砕かれる音と爆発音に似た音を最後に、突き抜ける衝撃にレイフォンの意識は途切れた
「大祖父さま!」
試合を終え、倒れたレイフォンを背負って観戦していた部屋に来たジルドレイドに向かい、ニーナは小走りで近寄る
少しでも話を聞きたい。今の試合のこと、持っている錬金鋼の事、レイフォンの強さのこと……。先ほどの試合の凄まじさに当てられ、聞きたいことが山の様に浮かんでくるがどれも明確な言葉にならない
そしてそれと同時に、背負われているレイフォンの怪我のことも気になり第一にそのことが口から出る
「大祖父さま、その……レイフォンは大丈夫ですか?」
「おお、ニーナか。包帯か何か布を持っていないか?」
「あ、僕タオルなら持ってます」
「すまんが借りる」
ハーレイが出したタオルを受け取り、背から降ろした気絶したままのレイフォンを椅子に横たえその左腕に軽く触れる
「……うう……つっ!…ぁ」
「やはり左腕が折れているな。少々強くしすぎたか」
その反応を確かめ、ジルドレイドはレイフォンの体を何か所か軽く押して触診をした後、レイフォンの左手に支えを付けた上でタオルを巻いていく
「あの……レイフォンの怪我は大丈夫なんですか? それと大祖父さまも」
「左腕が折れているようだ。それと、何か所か気になるところがある。他は擦り傷程度だからそちらは直ぐに治るだろう。一応医者に見せた方がいいだろうな。儂の方は大した怪我はない。……ふむ、この服は変えを用意せんといかんな」
そういい、レイフォンの腕の固定を終えたジルドレイドは所々切れ込みの入った上着を脱ぎ去る
そしてその動作を見ていたニーナは、肩口にある赤い染みに気づき自然と目が吸い寄せられてしまう
「大祖父さま、それは?」
「ん、これか? これは最後の一撃の際、少年の放った刃が儂に届いた証だ。既に傷は塞がっている。……自分の血が未だ赤いことなど、忘れていたな……」
何か小さく呟いた言葉が気になりながらも、ニーナはレイフォンの様態が気になってしまう
「しかし、それなら直ぐにレイフォンを連れて行った方が……」
「そう急ぐな。この少年なら実力から考えて五分と経たずに目を覚ます。起きるのを待ってからとしよう」
「……分かりました」
「何、直ぐのことだ。聞きたいことでもあれば可能な範囲ならば答えよう。そっちのお前もだ」
「え、いいんですか?」
「全ては無理だがな」
その言葉にハーレイはレイフォンの方に向けていた視線をジルドレイドの方に向け、疑問を声に出す
「その錬金鋼は何なんですか? 天剣っていう、レイフォンが
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