十三話 後
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のレイフォンが迫る
もはや刃鎧の拘束はなけれど、戦声のために一瞬隙を見せ、咆剄殺に揺らされたジルドレイドにもはや十分に躱す暇はない
致命傷は与えられないだろうが、ある程度のダメージは与えるはずの幾多もの剣が迫る中、ジルドレイドは感心したようにそれを見る
「予想以上か。十分だな……」
そして、ジルドレイドの錬金鋼に流れ込む剄の量が跳ね上がった
「…………」
「うわー。何が起こってるかさっぱりだよ」
横で一緒に見ているハーレイが何か言っているがニーナは返事が上手く返せない
今見ている攻防。その余りのレベルの高さに眼が話せない
レイフォンが強いことは知っていた。だが、あそこまでの実力に豊富な剄技、そして技術があるなど知らなかった。今までどれほど自分が手加減されていたのか知らなかった
大祖父が強いことは知っていた。アントーク家の武芸者を軽く跳ねのけるほど強いことは知っていた。だけど、常識外れの剄量を持つレイフォンが軽く押されるだけの力があるなんて知らなかった
今見ている光景だってすべてが把握出来ているわけではない
距離があるというのに、動きは全てぶれて見えるし、残像の時もある。一般人のハーレイではロクに何も見えないだろう。レイフォンの教導がなければ自分も何が起こっているか半分以上は分からなかったかもしれない
だがそんな戦いにも、慣れてくると少し違和感を感じてくる
(大祖父さまの動きが前に見たときと違う様な……)
昔の事なので良く覚えていないが、前に見たときはもっと自分から攻勢に動いていた気がする。だが、今はどちらかというと受け身で、相手の技を真っ向からつぶすように動いている印象を受ける
そんなことを思いながら見続けていると、レイフォンが何か剄を今まで以上に練り、動くのが見える
いくつものレイフォンに囲まれ、今まで見たことのない剄技によって足止めされ、こちらまで大気の振動が響くような技で大祖父の技がかき消されるのが見える
そんな大祖父に幾人ものレイフォンの剣が向かうのが見え
(………ああ)
一瞬その光景につい声が上がりそうになるが、跳ねあがった剄量でそれを捌く大祖父の姿に安堵の息がこぼれる
「何か、今空気が変わったね」
「……ああ。武器に込められる大祖父さまの剄量が上がった。この間のレイフォンよりも上に感じられるほどだ」
「……待って、それおかしいよ」
「? 何がおかしいんだ?」
「ニーナの大祖父さまの剄量が、あの時のレイフォン以上なんてありえない」
「何故だ。確かにレイフォンは強いが、大祖父さまの方が強かっただけだろう」
自分の尊敬する大祖父のことを軽視されたと思い、ニーナは憤るが、ハーレイは違
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