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鋼殻のレギオス IFの物語
十三話 後
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れ致命打にはならず、僅かに服に切れ込みを入れるのみ

「ハァ……ハァ……ハァ……」

 身に纏う服は所々汚れ、既にレイフォンの吐く息は荒い。対照的にジルドレイドは僅かに乱れてかけていた息を一呼吸で整え、身に纏う服は何度にも渡る剄の荒波にさらされ、損傷を受けているも本人自体の損害は無きに等しい
 怪我の有無で言えばレイフォンとて打ち合いを避け、動き回っていたためにそこまで差はないが、何度となく体を貫いた衝撃は蓄積し、体の動きを阻害している
 一月程度なら動き続けられるだろうほどの活剄も、自分以上の実力者との数時間の近距離での打ち合いで既に息が上がりかけている
 剄を練る速度が落ちているのを感じる。このままでは先に錬金鋼の方がダメになる可能性もある。今日この日ほど錬金鋼の事で不満を抱いたことはないかもしれない
 鋼糸でも使えたらと思うが、これだけの実力者相手にある程度使えども未だ実戦で使っていない武器は不安が残る
 このままでは負けるのは必定。ならば、と動きに出る。既にその準備は整っている
 身に纏う剄を意識し、その密度を上げる。これからすることを脳内で意識し、剄の流れを強化する

???活剄衝剄混合変化・千人衝並びに千斬閃

 現れる幾多ものレイフォン。その数は今のレイフォンの限界である二十。それだけの数の剣を持った、そして剣を持たない剄による実体が現れる
 その数、そしてレイフォンの気配の変化にジルドレイドは動く。それを見て本体のレイフォンは力の限り剣を振り、

「???なっ」

 届くはずもない衝撃によりジルドレイドの体が揺れる。それは一瞬であり、ダメージはない。だが、バランスを崩した体は動きを止める。その正体は小さな剄の糸。何度にも渡る接近のさなかレイフォンがジルドレイドにつけた化錬の糸にして使った技は剄の化錬変化・蛇流
 その隙を突き、幾多のレイフォンがジルドレイドを囲み

???活剄衝剄混合変化・刃鎧

 反物質化した剄がジルドレイドの動きを阻害し、周囲のレイフォンが襲いかかる
 それに対し、ジルドレイドは再び戦声をだそうと口を開き

「???かあっ!!」

???内力系活剄変化・戦声

 幾多のレイフォンもまた口を開き、喉よ裂けろとばかりに声を張り上げる

『???あああぁぁぁぁぁ!!』

???ルッケンス秘奥・咆剄殺

 同種の振動波を起こした技、剣を持たぬ分身体が起こしたルッケンスの秘奥である咆剄殺とぶつかり合う
 周囲を覆い、地を振動させ粉塵をまき散らせ空間を震わせるその二つの技は互いにその力を殺しあい、 代償として咆剄殺を放った分身体は消え、戦声もまた意味を無くしジルドレイドの体を揺らす

「なに?」

 その現象に一瞬呆気にとられるジルドレイドに残った十人
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