十三話 後
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言っていた錬金鋼みたいでしたし。それとその〜……出来れば、調べさせてもらえないかなーなんて」
「これは天剣という錬金鋼とは違う。詳しいことは言えんが、そういった特別な物が実際にあるという事だ。それと、あいにくだが調べさせてやることは出来ん」
「そうですか……。ということは、すごく珍しい錬金鋼なんですか?」
「そうとも言えるな。もっとも、可能性は低いがニーナならばいずれ手に入れるやもしれん」
「私が、ですか?」
「ああ」
「そう……ですか。それと大祖父さま、レイフォンは強かったですか?」
自分も手に入れられるかもしれないという言葉に驚きながらも、聞いてみたかった事をジルドレイドに問う
「ああ、強かった。小手先に頼っている様だったが、粗削りながら力は十分だろう。武器さえあれば、もっといい試合が出来ただろうな。……武器と言えば」
何かを思い出すように小さく呟き、ジルドレイドは視線をハーレイへと向ける
「確かサットンと言ったな。少し頼みがあるのだが」
「あ、はい。何ですか?」
「何、アルセイフの錬金鋼を後で用意してやってもらいたい。先の試合で一つ壊れてしまったのでな。金額の方は後で家の方から出させる」
「それなら喜んで」
「ん、うーん? ……あれ、ここは……ってイタっ!」
「そうか、ありがたい。……っと、どうやら起きたようだな。立てるか? 左腕が折れている様でな、起きたのなら病院に連れて行く。力を入れすぎてすまなかったな」
「あ、大丈夫です」
左腕を使わず、腹筋で体を起こす
そのまま立ち上がり、レイフォンは体を軽く動かして動くのに支障はないことを確認する。所々痛むし全体的に疲れがあってだるいが、普通に動く分には左腕以外は特に問題はない
先ほどジルドレイドに謝られたが、あれだけの試合をやったのだからそこまでの酷い怪我ではないと思っているし、いい経験だったと思っているので別段気にはならない。逆にずっと年長の相手に謝られて少し困るくらいだ
「ならば動くとしようか」
「済まなかったな。少し本気になりすぎてしまった」
「いえ、あれだけの試合でしたから。これくらいなら前に稽古でなったこともありますし、いい経験になりました」
「そういってもらえると助かる。あのくらい力を出して戦える相手など初めてだったのでな。それに、ニーナの前で不甲斐無い所は見せられん」
病院の中、ベッドに腰掛けるレイフォンと近くで椅子に座っているジルドレイドが会話を交わす
病院での診察の結果、左腕の骨折に右腕と肋骨に罅。左腕の骨は外に突き出る寸前だったらしい。それと全身の打撲で全治二週間強から三週間。
だが、それは平均的な武芸者の目安なので実際はそれより
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