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鋼殻のレギオス IFの物語
十三話 後
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「????なッ!!?」

 声が聞こえると同時に発生した気配に反応し、レイフォンは瞬時に己が武器を構え一瞬で戦闘態勢に入る
 そこに先ほどまで気の抜けた姿はない。身に纏う剄は教導時の比では非ず、その場の雰囲気を一変させ僅か離れた場に佇む声の主を睨む
 とても巨大な男。……いや違う。それは強力な剄の放射によってそう見えただけの錯覚。白い頭髪を後ろに撫ぜ、整えられた髭を持つ枯葉色のスーツを着た痩身の老人
 痩身なれど非力には見えぬ覇気、鋭い輝きを伴った戦士を連想させる眼光を持つその存在に一瞬威圧されそうな幻覚に襲われる

(この距離に近づかれるまで気づけなかった!?)

 自分の言葉に乗せるように放たれた声。それが聞こえるまで感知できず、この距離まで近づかせることを許したことが信じられず、剣を握る手に無意識に力が入る
 それらのことが示すは相手の実力。恐らくは天剣クラスに匹敵するという事実がレイフォンの危機感を煽る
 だが、そんなレイフォンの様子に気づかず、ニーナはそこに現れた存在が信じられずに口を開く

「大祖父……さま?」
「久しいなニーナ。いくらか語らいたいところだが、それは後とする。すまないが、今日はお前に用があるわけではないのでな」
「……ニーナさんの知り合いですか?」
「あ、ああ。……私の大祖父さまだ。だが、なぜ……?」

 剣は離さないながらもニーナの親族だと聞き危機感は無くなるが、驚きのまま疑問の声を上げているニーナの様子にレイフォンも疑問を抱く
 そんな2人。そしてよく事態が理解できずに一言も喋れていないハーレイの三人の疑問に答えるようにニーナの大祖父???ジルドレイド・アントークは視線をニーナからレイフォンに移し、口を開く

「いかにも。ジルドレイド・アントークと言う。今日は小僧、確かアルセイフと言ったな。お前に用があってきた」
「僕に?」

 親族のニーナではなく、初めて会うはずの自分に用があると告げられ疑問よりも先に困惑の表情が浮かぶ

「ああ。……用件は二つ。茨の守護者の小僧よ、“茨輪の眼”は既に目覚めたか?」
「茨?………すみません、何のことですか?」
「……その様子だとやはり、何一つ知らんか。まあいい、最初から分かっていたことだ。今のことは忘れてくれ」
「えーと、はい」

 忘れろも何も、何を聞かれたかすら理解出来ていないのだから言われるまでもない
 横を見ればニーナも何の事だか分らなかったのか、先ほどまでとは少し違った疑問の表情を浮かべすぐそばのハーレイに視線で聞き、それを受けたハーレイも首を横に振り否定を表す
 そんな三人の様子を見て、ジルドレイドは僅かに表情を和らげる
 それだけで先ほどまで会った覇気は薄まり、眼光の鋭さもややなりを潜める

「すまんな。な
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