魔法先生ネギま!
0266話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
学園長室での用事を済ませ、千鶴から言われたすき焼きの材料を買うべく商店街にあるスーパーへと向かう。
千鶴に聞いた話では、学園都市というだけあってこの麻帆良にある店は比較的学生向きと言うか、財布に優しい値段になっている所が多い……らしい。
「いらっしゃいませ」
スーパーの入り口にある買い物カゴを手に店に入ると、店員からそう声を掛けられて出迎えられた。
千鶴に頼まれた買い物はシラタキと椎茸、春菊だったな。
まずは野菜売り場へと向かい、近い位置にある椎茸を手に取り……
「あれ? アクセル君?」
後ろからそう声を掛けられる。
そちらへと振り向くと、そこには俺と同じように買い物カゴを持った釘宮の姿があった。
「クギミー」
「クギミー言わないっ! ……それで、アクセル君はお使い?」
「まぁ、お使いと言えばお使いか……!?」
そこまで言って、ふと気が付く。今の俺の状況ってもしかして『初めてのお使い』という奴だったりするのだろうか?
固まっている俺を見て首を傾げる釘宮だったが、すぐに理解したのだろう。口元にニヤリとでも表現できそうな意地の悪い笑みを浮かべながら生暖かい目で俺を眺めている。
「アクセル君は、何のお使いなのかなー?」
「……シラタキ、椎茸、春菊」
「ほうほう、なるほど。あ、その椎茸よりこっちの方がいいよ。はい」
と、俺の持っている椎茸とは別のパックに入っている方を渡してくる。
「椎茸ならどれでも同じじゃないか?」
「チッチッチ。初めてのお使いのアクセル君に教えてあげよう。確かに椎茸は椎茸だけど、アクセル君が持っているのよりこっちの方が肉厚でしょ? 買い物のリストから言って恐らく鍋物なんだろうから、薄い椎茸よりも肉厚な方が美味しいよ」
「確かにすき焼きらしいが……良く分かったな」
「ふふん。伊達に食事が当番制な訳じゃないのよ」
なるほど。俺の部屋では食事の準備をするのはほぼ千鶴一択だが、釘宮の部屋では当番制なのか。……いや、良く考えたらそれが普通なのか?
だが、俺の部屋は生粋のお嬢様であるあやかに、見かけ子供の俺。かろうじて料理を手伝えそうなのは夏美くらいだ。
と言うか、千鶴も一応那波重工とかいう会社の社長令嬢らしいから立場的にはあやかとそう変わらない筈なんだが……その辺は個人の趣味嗜好が関係しているんだろう。
「にしても、すき焼きかぁ。いいんちょのトコは豪華だね」
「クギミン達は?」
「クギミンも禁止! ……全く、アクセル君って意外と根に持つよね。うちはまだ特に決めてないかな。スーパーの中をざっと見て、何か美味しそうなのがあったらそれをメインにって感じで考えてるけど」
そう言いながら、椎茸の近くに置いてあったエリンギを手に取る釘宮。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ