第一話 現れた猛虎!その名は大河
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晴れた海岸線の猟師町。
「は・・・は・・・は・・・」
気持ちよく潮風が吹いている中、トレーニングウェアに身を包んだ少年・高嶺大河が埠頭を走っていた。
第一話 現れた猛虎!その名は大河!
「は・・・は・・・」
ロードワークをしながらファイティングポーズをとりシャドーをやる大河。
大河は近所のボクシングジムに所属しているボクサーの卵であり世界チャンピオンになるべく師匠でもあり育ての親同然の高嶺竜児に鍛えられている。
「ふん!はあ!!」
左ジャブを繰り出し世界の強豪と戦う事を夢見る大河がロードワークを終えると、やや草臥れたボクシングジムに帰ってきた。
高嶺ボクシングジムの引き戸を開けると練習道具を磨いていた竜児が出迎えた。
「ただ今」
「おう!虎!お帰り」
明るく竜児が出迎えると早速大河にグローブを渡し、自身はミットを装着すると練習用リングに上がった。
「さあって・・・やるか」
「はい!」
グローブを装着した大河が竜児相手にミット打ちを開始するとすぐさま竜児の一撃を浴びてしまった。
「どうした虎?まだまだ脇が甘いぞ?」
「うおおおおおおおおお!!」
大河が渾身の左ジャブを繰り出すと竜児がミットで受け止めると凄まじい衝撃が走った。
一瞬、周囲の空気が止まり大河が拳を降ろした。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
「よっし!少し休憩するか虎・・・」
「いや・・・まだまだ!!」
休憩を拒む大河は再び竜児に向かってワンツーを繰り出し食らいついた。
竜児に倒されても倒されても何度も立ち上がり食らいついてくる大河に感心する竜児。
すっかり日も暮れ夜になると夕飯を食べ始める大河と竜児。
ジムのど真ん中にちゃぶ台を構え、めざしと白飯に味噌汁を食べる大河と竜児。
「虎・・・お前強くなってきたぞ」
「え?本当ですか?」
「ああ・・・世界チャンピオンは近いかもな」
「はい!!」
竜児の世界チャンピオンという言葉にジャブを繰り出す大河。すると大河のジャブを受け止める竜児。
「おいおい飯くらい静かに食えよ」
「あ!すみません!」
そう言いながら大もりの白飯を食べる大河はその後ジムの掃除を始めた。
練習用具に対する感謝の意を込め一生懸命磨き、奥の倉庫へ段ボールをしまいに行くと何か巨大な箱のような物を見つけた。
「なんだこれ?」
思わずノックしてみる大河。石のような金属のような、そんな感じの質感だった。
すると大河はかつて竜児に言われた事を思い出した。
前に竜児がこのジムを譲られた時に一緒に有った巨大な箱だった。詳細は竜児ですら知らず前の持ち主がとりに来るだ
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