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蒼碧の双銃剣舞〜紅姫と幻視の魔王〜
before charge:紅姫と幻視の魔王
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人は『紅姫(ルージュ・プランセス)』って言ったかしら?そしてもう1人が……」
「……『幻視の魔王(イリュジオン・サタン)』か。まさかお前、3年前に起きたとされる魔女の反乱(レヴェリヨン・ドゥ・ソルシエール)について調べてるのか?だったらやめときな。なんせ逸話だし、そんな人物なんて存在しないから」

それを聞いて顔を強張らせる彼女。
──魔女の反乱(レヴェリヨン・ドゥ・ソルシエール)。
紅姫(ルージュ・プランセス)。
そして、幻視の魔王(イリュジオン・サタン)。
いずれも今ではもはや迷信だが、名前が上がった2人の人物は、3年前に起きた国家機密規模の大事件を終結させた当事者だ。
恐らくこの事件を知っている人物はもう誰もいないだろうし、この空前の大惨事は歴史から跡形もなく抹消された。
事件の後、当事者である2人は消息不明になったとされ、そのまま逸話だけが残ったとさ。

「紅姫と幻視の魔王は……いる!! 絶対に生きているの!!」
「何でそう思う?証拠がないじゃないか」
「証拠ならあるわ。武偵高で変な2人組がいるって話を聞いたの。学校にもろくに来ない不良だって。でもその2人組は尋常じゃないぐらい強いって聞いた。だから……」
「なるほど。で、変人2人組の俺たちに目星を付けたと?バカバカしい。話に付き合ってられん。もう帰らせてもらう」
「行かせないわ。あたしには時間がないの!!」

ワンピースのスカートの下から、もう一挺の拳銃を取り出して構える彼女。
たったそれだけで俺たち襲われそうになっていたわけ?
ちょっと呆気に取られて泣けてくる。
ん?二挺流……?
そうか、やっとこ思い出したぜ。
確かイギリスから武偵高へ転校してきたって言う超エリート美少女。
犯罪検挙率100%とか言う怪物娘で、14才の時にすでに『双剣双銃のアリア』って2つ名を持っているSランク武偵。
──名前は神崎・H・アリア。
これは噂どおりの怪物娘、だな。
やれやれ、格下相手に本気モードかよ。
相対する俺は2つ名もなければ、遥か雲の下のDランクだぜ?
ま、2人になれば呼称がつくぐらいだが。
仕方ねぇ、大怪我を覚悟して相手をしてやるか。
背中に背負う刀入れから丁寧に中身を取り出し、出てきた漆塗りの鞘を腰に差し、ショルダーホルスターから愛銃のベレッタM8000シルバースライドモデルを取り出してアリアの前に佇む俺。
そしてアリアの赤紫色の瞳を真っ直ぐに見詰める。

「なるほど。噂どおりの一剣一銃ね」
「武偵なら誰でも使えるだろ?誰が使って悪いっていった?」
「それもそうね。良いわ。じゃあハンデをあげる。掛かってらっしゃい」
「おいおい。俺をバカにしてるだろ?甘く見てると痛い目みるぜ?」
「さぁ?ぐだぐだ言ってないで掛かってらっしゃい」


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