before charge:紅姫と幻視の魔王
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「え?諦めて捕まるの?で、捕まって『あの〜すんません、パンツ見せて頂けないでしょうか』って言うの?」
「アホか!?俺はどこぞの骨野郎だよ!最後の手段ってたら“あれ”しかねぇだろ!」
「あぁ、あれね。……あれ?なんだっけか?」
ズルッ。
なんにも無いところで本気でコケそうになる俺。
緊張感ない能天気野郎だな、こんなところでボケるとは。
しかもちゃっかり笑って誤魔化してやがる。
ちくしょう。
その可愛らしい顔が変形するぐらいぶん殴りたい。
何だかんだしてゆっくりと振り返ると、あの子が数メートル後ろまで迫ってきていた。
「待ちなさいってば!」
「げ!?もう目と鼻の先かよ!ヤバいヤバい!全速力だカズ!」
「おー!!」
「ってバカ!!何で歩くんだよ!!」
「僕ちんもう歩けないよぉ」
「それを言うなら走れないだろ!現に歩いてるじゃねぇか!」
なんて突っ込む俺だが、もうそんな余裕もない。
諦めてこのまま捕まるのか?
いやいや、なんとしてでも逃げ切ってやる!
そして理想のかわいこちゃんに出逢うべくナンパを続けるんじゃい。
こうなったら一か八か、だ。
俺様の“禁じ手”を使わせてもらうぜ!
覚悟を決めて立ち止まろうと、ふと振り返ると彼女の手にはギラリと輝く銀色のオートマチック拳銃が。
あの重厚感から察するに、あれは偽物(エアガン)なんかじゃない。
……マジすか。
「どぉりぁああああ!!三十六計、逃げるにナントカ!!」
ヘロヘロになっている一哉の手を引き、引きずりながら全速力ダッシュ。
ヤバいヤバいヤバい!
止まったらマジで風穴開けられる!
いや、止まらなくても風穴開けられる!
……どのみち生き残る選択肢ねぇじゃん。
いやはや、そんな物騒なもんどこに隠してた?
つーか、俺様なんか悪いことした?
……痴漢?セクハラ?
そりゃ言われもなく常習犯だが、あの子には指一本触れてないぞ?
まぁ、中学生には興味ないが。
「痛い痛い痛い!七音さぁん、僕引きずってます!痛いよー!」
「知るか!引きずられるのが嫌なら道路にでも投げ捨ててやろうか?」
「いやぁ、それは勘弁してほしいっす」
「だったら自分で走れアホ!撃ち殺されたいのか!」
「それはマジで勘弁じゃ。僕ちん走りまーす!」
撃ち殺されると聞いて勢いよく加速する一哉。
それに必死に着いていく俺。
まぁ、結果オーライかな。
──バァンっ、バキュウンッ!
そんな俺様の足元を、すさまじい速度で飛来した鉛が地面を穿った。
さすがの俺もジャンプしてそれを回避する。
武偵とはいえ、今のは冷や汗を掻いたな。
「七音!大丈夫?あのお嬢ちゃん、マジで撃ってきたね」
「あぁ。アブねぇアブねぇ。つーか何者
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