十三話 前
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“感”の様なものを持って努力や経験を凌駕する圧倒的センスで戦うのではなく、練り上げた修練の上で戦う者。自身の特技を持った広さ、表すならば剣を中心とした器用貧乏な所が持ち味でもあり事実、剄量を除けば純粋な剣の技量や駆け引きといった面では養父のデルクに未だ劣る
だからこそ師としてデルクは、先に上げられた様な鍛錬をレイフォンに課した。様々な場面において常に考えることを課し、どのようにすればいいのか、どうやれば良くなるのかといったことを考えさせた
その上に鍛錬を重ねさせ、反復させることによって覚えさせた。実際の鍛錬による、更に思考させることによって描かれる何十何百何千といったパターンを体に刻み覚え込ませ、場に応じて無意識化でも選択出来るようにさせた
見たものをイメージとして捉え、感覚的に直接体に反映することによって学ぶのではなく、その後(跡)をなぞることによって学ぶ天才
だが、その刻み込む速さが圧倒的であるためにそのことに気づく者は少ない
とまあ、他の者達からすれば違いが分からねーよ。一緒だろうといった天才の区分はさておき、なんとなくダウナー気質になりかけていたニーナに対してレイフォンは声をかける
「あの、とりあえずそろそろ次に行きましょう」
「……ん、ああ。そうだな」
意識を切り替えつつ返答を返し、レイフォンに続いて錬金鋼を復元する
「では、いつも通り始めるか」
「とりあえず、ここまでで一端終わりにしましょう」
「ん、ああ、もうそんな時間か。だが、いつもより少し短くないか?」
数えること負け数約二十。前から比べれば減った数に、疲労感はあるがそこまででもないほどよい疲れの中、掛けられた言葉にゆっくりと息を整えながら疑問を返す
はっきりとは分からないが、ニーナの体感時間としてはいつもよりも休憩に入るのが少し早いような気がする
「ええ。とりあえず、この間から考えていた技があるので見て感想をもらいたいんです」
「技?」
その言葉に、思わず疑問の声がでるが内心納得する
レイフォンは既に知っていて使えそうなものの他に、前の鎗打の様に偶にだが自分で考えた技をニーナに見せることがある
中には奇天烈なネタの様なものもあり、実際に鉄鞭を長い間使っている身として見てダメだしもする。だが、使えそうなものの場合はニーナの意見も取り入れて改良され、身につけることもある
そのため、レイフォンの技を見るのはそれがネタなら見て楽しめるし、そうでなければより自分のレパートリーが広がるので楽しみなのだ。事実、打ち合う相手を捕えるのにいいのでは? と鉄鞭から触手の様な剄を出した時はお茶を吹きかけた
「打ち合っていて思うんですけど、ニーナさんのスタイルは基本防御主体で、守りは固いんで
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