暁 〜小説投稿サイト〜
めだかボックス 〜From despair to hope 〜
第20箱 残された者たち
[1/3]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
それは後日の事.
【人吉家】
家の中が騒然としていた。
主に泣き叫ぶ声……。
そうその泣き声は善吉のものだった。
「…ええ… そういう格好で…最後にいなくなった日には…幼稚園の服を…はい…よろしくお願いします。」
瞳先生が電話しているのは…
警察にだった。
なぜなら……。
善吉は、部屋で蹲るように膝を抱えていた。
「うっ…うっ… りゅっ…りゅう…く…ん… りゅうくん…」
善吉は夜通し泣き続けていたのだ。
善吉の泣き声は収まりつつあったが、 流れ出る涙がとまる事は無かった。
それに、善吉の泣き声が収まったのは、ただ…泣き叫びすぎて、声が嗄れてしまい出にくくなってしまったからだ。
その泣いている理由は唯1つ…
「どこに…いっちゃったの… りゅ…くん…」
そう、劉一の事。
≪人吉劉一の行方不明≫
それが理由だった。
善吉と劉一は殆ど毎日一緒だった。
めだかちゃんと劉一の遊び……その時間を除いては殆ど。
毎日を一緒に過ごしたんだ。
……最早友人であり、親友であり……善吉と劉一は兄弟同然だった
それが……たった一夜で、壊れてしまった。
生まれた絆が……爆ぜてしまったんだ。
膝を抱えて動かない善吉。
そこへ瞳さん、お母さんが傍に来た。
「善吉……。 今必死に皆で探しているから!大丈夫!きっと直ぐに見つかるわ!安心して。…ね? 大丈夫!あの劉一君だよ?きっと大丈夫!だから、信じて。大好きなりゅうクンの事、……ね?」
瞳お母さんは善吉の頭を撫でながら慰めた…
でも…彼女自身もも心配でいても立ってもいられない状況だったのだ。
彼の、劉一の優秀性、 異常性は誰よりも彼女が知っていたんだ。
子供とは思えない学習能力の高さ…知性の高さ…そして身体能力…
全てにおいて、大人にも引けを取らない。
寧ろ対抗できる大人の方が少ないと思える程のものだった。
2歳児、幼い子供が…だ。
そして、その身体能力と相余って……
とても優しい。
いつも友達の事、善吉の事、めだかちゃんの事、そして 皆の事を、第一に考えてくれている。
心配をかけるような事は決してしなかった。
悪く言ってしまえば、幼さが足りないと思っていたが……。
劉一クンは、それで良いって思えたんだ。
その子が、何の音沙汰も無く姿を…消すなんてありえないんだ。
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ