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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十六幕 「それぞれの思惑は交わることなく」
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いでに彼女が真面目に勉強しているところを見たものはあまりいないという・・・なんか怪しい。意図的にそれ位の成績をキープしていたとも考えられる。ちなみに実技試験では素人以上玄人未満と言った感じの実力を発揮した。素人にできる動きではないが、経験者のそれに比べるとお粗末。何ともコメントし辛いものだった。・・・なんか変だ。
さて、もう一つの可能性・・・彼女が他国若しくはどこかの組織から送り込まれた間諜であることだ。
実は秘密裏にIS学園に入り込むための教育を施されており、IS学園に確実に入るために試験では本気を出したとか。考えられないではないが、いくら経歴を洗ってもそんなそぶりも痕跡も発見できない。しかし一度疑ってしまうと彼女の行動に疑わしい点もある。
先ず彼女は“日本の代表候補生にならないか”というスカウトを受けている。代表候補生とは将来国家代表になる可能性さえあるポジションであり、なれば国から好待遇になったり専用機をもらえたりするエリートである。ところが佐藤さんは話を聞くなり“面倒は嫌いなのでパス”の一言で断ってしまった。普通本格的にISパイロットになる気ならこれだけのチャンスを棒に振ったりはしない。だが彼女は何度声をかけても“ならない”の一点張りだった。
次にIS関連の企業や研究所から“テストパイロットにならない?”というお誘いが彼女の下に届く。これだけ優秀な人材なら企業としてもぜひ欲しい。だが彼女はこれもすべて蹴った。企業や研究所と契約を結べばそれなりの後ろ盾にもなるにもかかわらず、彼女はまたもや“やらない”の一点張りで断ったという。未だに彼女のスカウトを諦めていない企業もあるが、彼女がそれを受ける様子は一切ない。
これは常識では考えられない事、アンビリーバボーな行為である。ISパイロットに憧れているにもかかわらずこれらの事をすべて断るというのは正直異常な行為だ。確かにそういった立場にはそれ相応の責務が付きまとうとはいえここまで頑なに拒む必要はないし、受けるメリットとデメリットを考えれば明らかにメリットが勝っている。・・・ますます怪しい。まるで繋がりを断ちたがっているようだ。
そして素行。何だか説明しにくいが、考えや言動が妙に大人染みている。世界に4名しかいない男子を前にしても世界最強の織斑千冬を前にしてもリアクションが薄い。薄すぎる。ベルーナと同室になった日も初対面の割にはやたら落ち着いていたし、それどころか最近は対人恐怖症の筈のベルーナと学園内で唯一友好関係を持つ生徒となっている。ついでに時々挙動不審・・・やっぱり何か怪しい。
しかも、時折男子生徒(ちょくちょく女子生徒も)を観察するようなそぶりを見せたりあからさまに監視したりしている。集音マイクまで用意していたのを見た時は流石にクロかと思ったが、どうも本人的には趣味の領域
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