第5章 契約
第65話 魔眼の邪神
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た事件で有る以上、少なくとも、太歳星君を召喚した事件の際に顕われた牛頭人クラスの雑魚が迎撃に現れたとしても不思議でもない……と思うのですが。
何と言うか、まるで、このガリア両用艦隊の動きすら実は陽動で、その他に為したい事が有って、その為に邪魔な俺の目をこちらに向けさせる為に、あのタイミングで出航して見せたのでは……。と、思わせるぐらいには、呆気なく事が進み過ぎて居ます。
甲板から船内に至る扉を潜り、廊下の向こう側からマスケット銃を構えた二人の水兵を、ほぼ反射のみで右腕から放った釘で無効化した俺が思考を更に進める。
そう。これが例え何らかの大きな策謀を隠す為の陽動で有ったとしても、それでもあのまま、この艦隊を見逃す訳にも行きませんでしたから。
この艦隊全体でどの程度の火石や風石が積み込まれているのか判らず、そのすべてを俺の影響を与えられない場所で、全ての精霊力を活性化させられたのなら、街のひとつやふたつは、瞬時に地図の上から消し去る事が出来るはずです。
こんな危険な連中を、流石に陽動を恐れて見逃す訳には行かないでしょう。
お前は道を見つけるだろう…………。
ブレストの街に残して来た飛霊や剪紙鬼兵。そして、ノームの連絡では、ブレストの街でこれ以上、何かが為される様子はない、と言う連絡が伝えられて居ますから、この軍事物資の横流しから始まる一連の事件は、ここで終息するはずなのですが……。
漠然とした不安を抱きながらも、昨日辿った道を、敵対者を排除しながら進む俺。
狭い艦内でガスなどの不意打ちに備える為に、シルフに因り俺の周りに空気を発生させながら……。
そして……。
そして、辿り着いたその部屋の前は、完全な静寂に包まれている。
そう。扉はこれ見よがしに開かれたままと成って居り……。
これは、どう考えても明らかな罠。しかし……。
この段階での自らの装備の確認を行う俺。
物理反射と魔法反射は一度だけ可能。
呪殺も一度だけ無効化。
精霊の支配は完璧。この世界で一般的な魔法の系統魔法は、発動する事さえ困難な状態。
物理魔法も、直接的な被害を与えるタイプの魔法なら、俺の精霊の護りを貫く事は出来ない。
それに、このハルケギニア世界に存在する未だ黎明期の火器では、精霊を纏った俺の防御力を突破する事も不可能。
相手が余程の精神力を持って居て、自らの廃人化すら厭わないような状態ならば、一度ぐらいは魔法の発動も可能でしょうが、それでも、その貴重な一度を魔法反射で魔法を放って来た相手に反射が出来ますから、俺には何の実害もなく事件は終了と言う事に成りますか。
覚悟を決めて扉の前に立ち、ガリア両用艦
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