第5章 契約
第65話 魔眼の邪神
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「湖の乙女。あの艦隊が軟着陸をしたら、俺と同期してくれるか?」
……と、彼女に問い掛けたのでした。
普段と変わりない口調。自らの精神を彼女に明け渡す代わりに、無防備と成る彼女の身体を今回は、ここ、翼ある竜の背の上に残して行く事となる危険な申し出。
そう。軟着陸をした後に、あのガリア両用艦隊旗艦に乗り込み、今回の事件の首謀者を取り押さえる。それで、この事件は終わるでしょう。
まして、俺と彼女が同期して、彼女が俺の霊気の制御を行えば、元々扱い切れずにいた自らの霊気の制御が完全に出来るように成り、俺の能力が跳ね上がる事は確認済みです。
この状況で、更に加速状態と成った龍種を止められる存在は、殆んど存在してはいないと思いますから。
現在のガリア両用艦隊の対応から考えると、なのですが。
俺の問い掛けに対して、微かに首肯く湖の乙女。
そして、この時既に、ガリア両用艦隊が徐々にその高度を下げ始めて居たのだった。
何時か虚ろな空間で…………。
目視確認が出来る甲板に転移した瞬間に、雷公の腕を召喚する俺。
そう。それまで何も存在しなかった空間に俺が現れた瞬間、周囲に存在していたガリア両用艦隊旗艦の甲板員たちが無力化されて仕舞ったのだ!
そして、一瞬の反動を付けた後、直ぐに動き出す俺。
まるで意志を感じさせない、操り人形の如き不自然な動きながらも、そんな俺を目がけてカトラスを手に左右から斬り掛かって来る二人の水兵。
しかし! その二人の水兵を囮として、おそらくはこちらが本命。俺の背後から軍杖で突きかかって来ていた士官の腕を取り、斬り掛かりつつ有った二人の水兵に向かって投げ付ける事に因り、すべての無効化に成功。
その刹那、杖を取り出して何やら呪文を唱えようとした連中に対して右腕を振るう。
次の瞬間、俺の右腕より閃いた銀光が三人の魔法使いたちを右腕ごと甲板に打ちつけて仕舞う。
そう。ここまでの行動は、すべて一瞬の出来事。
非常に間延びした世界の中、唯一人、通常の世界に生きる俺が、死んだ魚のような瞳に妖しい光を宿したガリア海軍軍人たちを次々と無力化して行くのだ。
【こいつら、本当に操られただけの一般人か?】
艦内に侵入するドアを蹴破り、待ち伏せしていた水兵をドアごと向こうの壁に激突させた直後の俺の呟き。
その【呟き】に対して、俺と共に有る少女から、同意を示す【気】が返される。
かなりの覚悟を決めて、このガリア両用艦隊旗艦ビュッセンタウル号に乗り込んで来ただけに、拍子抜けの感は否めないのですが……。
本来ならば、邪神の眷属を召喚し
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