第三章 殺人
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よ。動かないで。撃てないと思ったら大間違いよ」
洋子の言葉を無視して立ちあがり、一歩踏み出した。洋子は銃口を中条の太ももに向けた。同時にカチッという金属音が響いた。弾が入っていなかったのか、或いは不発だったのか。
中条は、恐怖に顔を歪ませた洋子を見下ろした。洋子は両手で拳銃を握り直し中条の胸に向けて引き金を引き続けた。カチッカチッという音が空しく響く。洋子の顔が恐怖で歪むのを、中条は眺めていた。
洋子の右腕に向けて、警棒を渾身の力を込めて振り下ろした。骨の砕ける音がした。洋子は悲鳴を上げ、顔を歪ませた。なおも警棒を振り上げる中条を見て、左手で後頭部を抱えながら床に這い付くばった。
最初の一撃で、頭にかざした左手が潰れた。それでも頭を守ろうと血だらけの手を頭にかざして蠢かせている。二発目で、その手も動かなくなった。三発目で、頭蓋骨が割れ、脳漿がこぼれた。四発、五発と数えて十五発目で警棒が飛んだ。血でぬるぬるしていたのだ。
「えへへへ」
照れたように笑いながら、警棒を拾うと、また殴りはじめた。
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