第8話 ロアキア動乱4
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ロアキア軍30000隻と遭遇したクラフスト艦隊が逃げに入るのは予想していたものの、一発も砲火を交えること無く撤退というのは想像の範囲外であった。
それをロアキア軍は追撃するが、辺境軍の不可解な行動に疑念を感じずにはいられない。
「どういうつもりだ……、我らを引きつけておいて別動隊が帝都ロアキアを落とすというのであれば有効な方法であるが、今の帝都にそれだけの価値があるとも思えん」
「罠……でしょうか?」
「そう見るのが妥当だろうな。もっとも、何を目的としているのかも分からんが」
そんな中、オペレーターの声が上がる。
「十時の方向に敵影。数……30000隻以上!!」
「バカな、集結したにしては早過ぎるぞ! 余剰戦力があったとでも言うのか!?」
艦橋が驚愕する中、スクリーンが映像を映し出す。
「あれは……銀河帝国軍か」
それは、銀河帝国軍のファーレンハイト、スプレイン、グエン・バン・ヒューの3個艦隊32000隻であった。
「撃て!」
「ファイエル!」
両軍の戦端が開かれる。
「(数においてはほぼ互角だが、じきにクラフスト艦隊12000隻が敵戦力に加わるだろう。別の艦隊も駆けつけてくるかもしれない……)」
この窮地をどう脱するかオリアスは思案するが、そんな簡単に名案が出てくるわけでもない。
こうしている間にもクラフスト艦隊以下、辺境軍の軍勢が近づいてきているだろう。
そうなれば数において著しく劣勢にたたされる。
別動隊を指揮するロズボーン提督から連絡が入ってきたのは、そんな時だった。
「ロズボーンか、現在こちらは銀河帝国軍による攻撃を受けている。そちらはどうだ?」
『こちらも、30000隻を超える銀河帝国軍の猛攻に晒されております。現状ではどうにか互角に戦っておりますが、辺境軍の増援が到着すれば我々の敗北は免れません』
「そうか……」
別動隊も銀河帝国の襲撃を受けているとなると増援は期待できない。
現状の兵力のみで目の前の艦隊と遠からず駆けつけてくる辺境軍を相手にするのは至難である。
『殿下、もはや帝都ロアキアの陥落は避けられないでしょう。ここはロムウェに遷都なさって捲土重来をお図り下さい』
「っ!! 私に生き恥を晒せというのか!」
『殿下が生きている限りロアキア再興の目はあります。そして、それが我々の悲願でもあるのです。どうか……』
「…………」
オリアスの旗艦デスペリアスの艦内に沈黙が流れる。
やがて、オリアスが搾り出すように一言発した。
「……全軍、撤退せよ」
この命令によって、ロアキア軍は撤退を開始する。
「む、敵は逃げる気か。逃がすな、敵の最後尾に喰らいつけ!」
無論、
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