第二十九話 兵学校その十三
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「カナダも駄目なんですね」
「カナダ料理は聞かないでしょ」
「はい、全然」
美優はまたすぐに答えた。
「そんなことは」
「それに答えがあるから、カレーもね」
ここでまたカレーの話になった。
「イギリスから来てもイギリスよりずっと美味しいからね」
「そもそもイギリスにシーフードカレーってないですよね」
彩夏はこのことを問うた。
「そうですよね」
「イギリス人烏賊が食べられるって知らないわよ」
「その時点で日本人としては有り得ないですね」
彩夏も呆れた、カレーの中にあるその烏賊を見てだ。
「というかフランスも烏賊食べません?」
「フランスはフランスよ」
例え隣同士でも国が違うというのだ。
「ブイヤベースに入れるっていうのね」
「入れますよね」
「ええ、入れるわ」
尚ブイヤベースの食材には細かい決まりがあったりする、フルコースのマナーといいフランス人は料理関係には色々とそうしたこrとを決めたがるのだろうか。
「ちゃんとね」
「海老や貝もですよね」
「お魚もね」
「けれどイギリス人はなんですね」
「海のものは鱈か鮭位しか食べないわよ」
その二つ位だというのだ。
「勿論調理の仕方も雑よ、料理番組も凄いから」
「怖い国ですね、イギリスって」
「軍隊の食事はビスケットとかオートミールとか位しかなかったそうだしね」
第二次世界大戦の頃の話だ、そのまずさで有名にもなった。
先生はそうした話をしてだった、頂きますのその時まで五人に話した。
そしてその頂きますからだ、海上自衛隊の人達が作ってくれたそのシーフードカレーを食べてみると。
美味かった、美優が思わずこう言った。
「おい、これってな」
「ええ、美味しいわね」
「凄いわね」
他の四人も言う。
「こんなに美味しいなんて」
「凄いわね」
「これが海自さんのカレーなんだな」
「たっぷり楽しみなさい」
先生も目を細めさせて言う。
「このカレーをね」
「はい、そうさせてもらいます」
「これは」
「何杯おかわりしてもいいから」
量もよしだった、先生の言う通り。
「たっぷり食べてね」
「食べた分はね」
高見先輩が楽しそうに言って来た。
「動いてもらうわよ」
「部活で、ですね」
「そうよ、勿論ね」
そうしてもらうというのだ。
「だから食べるんだし」
「動く為にですね」
「午前の遠泳の分の補給もあるけれど」
「午後もですね」
「そう、食べてね」
そしてだというのだ。
「頑張らないとね」
「先輩もですか」
「当たり前でしょ、私だって食べないとね」
高見先輩は強い声になって琴乃に告げた。
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