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暗殺者の誇り
第四章
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「そうします」
「そうか」
「仕事なら」
「わかった、今のところそうした話はない」
「家族は誰も知らなかったですか」
「こうした話は自分だけの話にするのが保身だからな」
 政治家のだ、裏社会との関係は例え側近や家族にも教える訳にはいかないというのだ。それを言うのである。
「話していなかったみたいだな」
「そうですか」
「あくまで今のところわかってるだけだがな」
「わかりました、では」
「今のところ残された家族やスタッフには何もしない」
 つまり彼に仕事を命じることもないというのだ。
「全くな、しかし残った連中はすぐに俺達があいつを殺したとわかる」
「そしてマフィアに敵対する様になる」
「そうなる、他の多くの議員と同じ様にな」
 癒着する議員もいれば敵対する議員もいる、マフィアについてもそうなのだ。
「家族の誰かが出て来る。まあそちらには手出しはしない」
「敵は、ですか」
「そんな議員なり市民団体は幾らでもある、いちいち相手にしていたらきりがない」
 マフィアは裏社会だ、それなら敵視されて当然だ。犯罪者を擁護する善良な市民なぞ存在しないからである。
「相手にするより隠れた方がずっといい」
「では議員の後継者にも」
「何もしないからな、適当に言わせて暴れさせておく」
 それでいいというのだ。
「俺達のことを掴んでそれをばらそうとしない限りはな」
「では」
「安心しろ、隠してみせる」
 これはドンの仕事だ、そしてドンはそれを果たしてみせるというのだ。
「御前には別の仕事を言うからな」
「次の仕事は」
「ジャンケーノ一家の奴だ」
 彼等のファミリーと対立するファミリーの者だというのだ。
「そこにカニオだ」
「あいつですか」
「この前フランコを殺った奴はあいつだった、仇を取れ」
 こう言うのである。
「いいな」
「はい」
「それでだな」
 ここでにやりと笑ってだ、ドンはプリマッティに問うた。
「カニオもだな」
「はい、一発です」
 一度の狙撃でだというのだ。
「終わらせます」
「そして殺すのもだな」
「あいつだけです」
 ターゲット、獲物だけだというのだ。
「あいつだけにします」
「そうか、いつも通りだな」
「そうしますので」
「じゃあそうしろ」
 ドンは確かな声で彼に告げた。
「いつも通りな」
「それが出来なくなったら」
 プリマッティもまた確かな声でドンに返す。
「俺はこの仕事を辞めます」
「後は余生を過ごすか」
「いえ、誰かに殺られるでしょう」
 その時はというのだ。
「それが俺達の世界ですから」
「まあそれはな」
 ドンもこのことは否定出来なかった、マフィアの世界は殺るか殺られるかだ。それでベッドの中で死ねるとは誰も思わない。 
 だか
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