第182話
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特に学園都市。
一度は行ってみたいですね。
バルド様に言いつけられていなければ、すぐにでも向かいたいくらいです。」
楽しそうに語るレギンズ。
すると、奥の通路から鉄パイプを持った男が一人現れた。
額が切れ、服が泥だらけの所を見る限り、暴動に参加していた住民であるのは間違いない。
男は駆動鎧の傍にいるレギンズを、学園都市の科学者と判断したのか両手で鉄パイプを握り。
「この野郎がぁぁ!!」
走り、レギンズの頭を鉄パイプで殴ろうとする。
しかし、レギンズは視線を男ではなく麻生に向けたまま。
「もう一つ、好きな理由があります。
それは」
鉄パイプがレギンズの顔の横まで迫った所で、あろう事か彼は傷だらけの腕で鉄パイプを受け止めた。
渾身の一振りで殴られた骨は折れ曲がる。
「ひっ!?」
あまりの異常行為に男は息を呑み、動きを止める。
対するレギンズは相変わらず頬笑みを絶やさず、男の首に手で掴む。
掴んだ手の指は男の首にめり込んでいく。
「あっ!?・・・がっ!」
首に指がめり込む痛みと、締め付けられる苦しみで声が出ないようだ。
助けようと思っても、本能が身体にストップをかける。
めり込んでいた指から太い血管のような管が、視認できるくらい浮かび上がる。
男は苦しむ声をあげながら、生気を失っていき、やがて最後にはミイラのような姿に変わっていく。
打って変わって、レギンズの折れていた腕が再生していき、抉れていた肉も内側から新たな肉が再生していき治癒した。
これらの光景を見て、レギンズが男の生命エネルギーを吸い出しているのは間違いなかった。
「人一人には莫大なエネルギーが詰まっており、そのエネルギーを兵器として使えばそれは計り知れない威力を発揮します。
故に私は人間が大好きです。
兵器を作る思考に兵器に活かせるエネルギーも持っている。」
笑顔を浮かべながらミイラになった男の死体を、適当に放り投げながら語る。
人間が好きとレギンズは言ったが、その『好き』は歪みに歪んでいる。
何より彼は人間を見ていない。
人間が作る兵器を、人間のエネルギーを使った兵器が最終的に好きなだけであって、人間が好きと言っているのは所詮、彼の兵器を生かす為に必要だから好きと言っているだけである。
「マッドサイエンティストが。」
「心外ですね。」
がっかりと言った感じに肩を落としながら。
「さて、そろそろ実験を開始しましょうか。
ちょうど、数人ほど人間もいますしね。」
レギンズと目が合ったのだろう、後ろで何人かが短い悲鳴をあげる。
麻生は身構える。
あの時は本能に従ったが今回は自らの意思で動く。
今も本能の警報が鳴り響いているが、
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