十二話
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なく、やや疲れたような柔らかく、にこやかな雰囲気を持ちながら頬をやや緩め手の中のクッキーを咀嚼していく
袋を渡したレイフォンは剣をしまい、黒鋼錬金鋼を復元して鉄鞭を振り回し始める
ニーナの為にと手に入れた鉄鞭だが、いざ使おうと思ったら大きな落とし穴に気づいたのだ
レイフォンは今まで、自分が鉄鞭を使ったことがない
槍や弓、太刀や鉈などは使えるが、鉄鞭は使えない。昆ならばある程度は使えるが、それとはまた扱いが違う。そのため、ニーナの相手は剣ですることとなった
それでもそのままという訳にもいかないので、こうして鉄鞭を持ってはそれに慣れようと練習を重ねている
(やっぱり重いな)
両手に持った鉄鞭を振り回しレイフォンは思う
片方だけでも自分が扱う剣よりも重いかもしれなというのに、それを片手ずつ二本持っているのだから重さが際立つ
剣の時よりも前に移る重心を意識し、そのずれを頭の中で修正しながら体を動かし、振るう鉄鞭で振り回される様に動く体を感じそれに合わせるように体の軌道を変える
こうして実際に扱ってみて、ニーナの膂力と技量がやはり高い物なのだと再認識しながら振るい続ける。鉄鞭を振るう技量に関しては、ニーナの方が自分よりもずっと上だ
そして考えるのはニーナのこと
(ニーナさんのスタイルは、防御に主体を置いている傾向がある。金剛剄は教えるとして、何か攻撃に特化した技があれば……)
実際に手合わせをしてみて分かったことだが、ニーナは防御を主としたスタイルである
だからこそ、攻撃に特化した技があればうまくバランスが取れるのでは? と思い、何かないかと考え続ける
教導をしている以上、そういったことを考えるのも大事なのだろうとレイフォンは思う
(ちょっと試してみよう)
鉄鞭を振るうのをいったん止め、思いついたことをやってみようと剄を巡らし始める
レイフォンにとって、新しい技を考えるというのはそこまで珍しいことではない
自分がもっとも得意とする刀術を封印したため、それで失った“深さ”を補うのにもっとも手っ取り早い方法が“広さ”を持つこと。そして技が増えるということはその分手が広くなることに直結する
それに、何度も同じ技では対処法を直ぐに見抜いて襲ってくる相手が近くにいたため、技を考えるという思考には慣れている面もある
体の重心を下目に落とし、体を少し曲げ腰をやや後ろに捻りながら片方の鉄鞭を腰だめに引いて構える
剄を腰に構えた鉄鞭に集中し、一定以上溜まると同時に活剄で腰と足元を強化。軽く逆の足を前に滑らせながら剄を爆発させ、背筋も使い腰を捻るのと同時にその推進力を持って前に突き出し、同時にその先から衝剄を放つ
一瞬遅れて聞こえる空気を貫く破裂音に、放たれた衝剄が周囲を
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