第二十八話 逃走、不倒
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か向こうが信号を切っているため探すこともできない。信号が切られているということはロボットが自発的にいなくなっているという可能性を示唆している。
それらの現象を不思議に思ったりんかは調査に乗り出すことにした。
そして、ある一つの原因にたどり着く。
「「「魔力?」」」
剛士を除く三人が一斉に疑問を発する中、りんかはその疑問に頷いて答える。
「うん。何らかの指向性を帯びていると思われる魔力の散布が確認されていたの。そしてそれが分かったのがつい数日前。もう少し調査を進めて、ある程度原因が特定できたら管理局に連絡を取ろうと思っていたんだけど………。」
「その矢先に今回の事件が起きたんですね?」
「うん。」
アリスの言葉に頷くりんか。
「………結局大したことはわからず仕舞いか。」
和也がぽつりとそう呟く。
「……ごめんね。役に立てなくて……。」
りんかがしょんぼりとして肩を落とす。
それを見た和也は慌ててそれを否定する。
「い、いやそういう意味じゃないぞ!ただ、相手がどういう奴なのかは結局誠也に聞くしかないなってそう思っただけだ!」
フォローにすらならないフォローをして、さらにりんかを落ち込ませる和也。
エリやアリスの視線が和也に突き刺さる。
その視線に気づき、和也は縮こまる。
その様子を見たのか、りんかは突如落としていた肩をあげて、くすりと笑いだす。
からかっていたのか!?
そう和也が言いそうになった瞬間、今まで黙っていた剛士がごほんと咳払いをした。
「……アリスや和也が見たと言う巨人、機械王の持つ能力は恐らく機械を操るもの。それで相違ないな。」
「はい。レイジングハートの証言、事件の性質から見て恐らくそれで間違いありません。」
剛士の言葉にアリスは同意する。
本来いなくなるはずのないロボットたちが、さも自発的にいなくなったように見えること。
消えたはずのロボットたちが襲いかかってきたこと。
レイジングハートの証言から、何らかの外部干渉により強制停止に追い込まれたこと。
この三点から考えて、機械王はロボットたちの首領的な立ち位置でなおかつ機械を操る性質を持つと言える。
「……今、一番の問題は機械王への対抗策が一切ないことだ。アリスや和也、そして俺も恐らくそいつを倒すことはできないだろう。」
「剛士さんもですか……?」
言いきる剛士に対して疑問を呈すアリス。
剛士の実力のほどをアリスは良く知っているからこそ、そう言いきる剛士には疑問を覚えた。
「……無理だろうな。和也、お前『閃』を使ったな?」
「ああ。」
「……どのくらい切れた?」
「一センチくらいだ。それ以上は無理だった。後、相手の腕は三十センチくらいの太さがある。」
「……今のを聞いてはっきりした。負けはしなくとも絶対に勝てないだろうな
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