第二十八話 逃走、不倒
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言っているのかの見当すらつかない。
『邪魔者ヲ入レルナトイウ御身ノゴ命令ヲオ守リデキズ、申シ訳アリマセン。』
『律儀ナコトヨ。』
機械王は玉座へ座り、側近たちを労った。
『気ニスル必要ハナイ。奴トノ戦イハ我ノ勝利デ終ワッタノダカラ。』
『オオッ!!サスガハ王ニゴザイマス!!』
自らの王の勝利に、喝采をもって答える側近たち。
しかし、王はそれに対して、さほど反応を示さず、別の話題を切り出した。
『………オ前達、今回ノ戦イデドレホドノ戦力ヲ失ッタカ報告セヨ。』
『ハッ!今回ノ戦イニオイテ失ワレタソノ戦力は、ソノ数オヨソ二百ホドト思ワレマス。』
『全体ノ約一割ホドノ損失ニナリマス。』
『デスガ今スグニデモ、人間ドモニ戦争ヲ仕掛ケル事ハ可能カト。』
『王ヨ。ゴ決断ヲ。』
『………。』
機械王は肘かけに頬杖を突き、黙りこくる。
沈黙の間、その瞳の宝玉の赤色は全く発光していない。
側近たちは、伏せていた顔を挙げ、王を見上げ、王の言葉を今か今かと待ちわびていた。
そして、機械王の瞳が再び紅く輝いた時、王はこう言った。
『オ前達、至急同胞達ヲココニ集メヨ。』
「早急に対策をとりましょう。」
アリスは誠也を抱きかかえ、和也と共に月村邸に帰還した直後、りんかにそう告げた。
りんかもそれを受け入れ、アリス、りんか、エリ、和也、そして和也の父、剛士の五名で対策を講じるため話し合いが行われようとしていた。
ちなみに誠也は魔力枯渇に加えて気絶しているため、ベッドの上である。
「それじゃあ、りんかさん。事件の発端から話していただけますか?」
開口一番、アリスはりんかへと要求する。
りんかもそれに応じて語り始めた。
「始まりは二カ月ほど前の事なんだけど……。」
事の始まりは二か月前に起こったある事件であった。
それは家庭用ロボット盗難事件である。
高度に機械文明の発達した地球では、ロボットは大きな労働力として重要視されている。
それは工場以外にも家庭などでも重要視されているのだ。
日々の家事などもロボットが普及し始めたころから徐々にロボットが中心となっていき、今では家事のほとんどをロボットが行うのが当たり前になっていた。
そして、そんな状況の中で起こったのがロボット盗難事件である。
だが、その事件が起こったのを耳にしたりんかは、その事件に不可解さを感じていた。
そもそもロボット、特に家庭用ロボットは、自分達の所有者をしっかりと認識しており、他の人間に対してきちんと区別ができるはずなのだ。
つまり、他人の家のロボットを盗んだところで、ロボットは働くことはないし、勝手に逃げ出して所有者の家に戻ったりするなどで、盗むメリットなどほとんどないのだ。
しかし、ロボットは現に盗まれ、しかもその所在を知ろうにも、なぜ
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