第五章
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「剣や弓矢を使った命を賭けた戦いもあれば」
「随分古い戦いですね」
「剣とか弓矢って」
「例えですから」
これは特に気にしないというのだ。
「ですから」
「そうですか」
「じゃあ」
「はい、こうした戦いもあります」
あらためて彼等に話す。
「剣を交えた戦い以外にもです」
「ううん、そうですか」
「スポーツでの戦いもですか」
「今みたいなですね」
「そうした戦いもですか」
「これは人と人が汗を流し全てを出し合い戦う戦いです」
それが彼等が先程までしていた戦いだというのだ。
「チームとチーム、個人と個人のスポーツによる」
「戦いですね」
「そうなんですか」
「国家や部族で剣や弓矢を使ったものではなく」
再びあえて古い表現を使って話すバランガだった。
「こうした汗を流し合いぶつかり合う戦いもあります」
「そしてこうした戦いではですか」
「その後では今の様に」
「はい、また次の試合での最高のプレイを期待して」
それでだというのだ。
「祝杯を挙げるのです、先の試合での双方の健闘を称え次の試合で再びそれをすることを願い」
「そうなのですか」
「今は」
「はい、ではです」
それではとだ、バランガはまた言った。
「私も次の戦いでの健闘を願い」
「今はですね」
「飲みますか」
「はい、そうします」
満面の笑顔での言葉だった。
「では皆さんも」
「ううん、いいですねそういう戦いは」
「結構スポーツで変に騒ぐ人いますからね」
「本当にマウンドに国旗なり島がどうとかオリンピックで騒いだり」
「そういう戦いじゃないんですね、スポーツの戦いは」
「そうなんですね」
「そうです、今の様なものです」
戦いの舞は舞う、しかしスポーツマンシップを守って爽やかにというのだ。
「スポーツの戦いは」
「わかりました、じゃあ」
「また見せてもらいますね」
「俺達ラグビーはしませんけれど」
「それなら」
「トンガにいる間存分に楽しんで下さい」
バランガは笑顔で応えた彼等に彼等と同じ笑顔で応えた。
「この戦いを」
「そうさせてもらいますね」
「じゃあ今からちょっと」
「芸を披露します」
「戦いの舞ですね」
彼等が何を出すのかはバランガはすぐにわかった、それでその彼等に笑顔で返した。
「それですね」
「それしていいですか?」
「別に物笑いにするとかじゃないですから」
「だから今からちょっと」
「やってみていいですか?」
「どうぞ」
バランガは笑顔で応えた。
「それではお願いします」
「トンガチームとニュージーランドチームの両方のものしてみますんで」
「それじゃあ今からですね」
「やらせてもらいますね」
「ではその後で飲み比べの戦いとなりますね」
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